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[ 2020年 10月 20日付 ]

 LUXMAN 創業95周年記念 純A級プリメインアンプ『 L-595A LIMITED 』徹底研究!
こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。

今回は、ラックスマン 創業95周年記念で登場した、純A級プリメインアンプ『 L-595A LIMITED 』をご紹介します。

ラックスマンが誇る 半導体式アンプの銘機「L-570」を、その外観や音質イメージを30年の時を超えて現在に蘇らせたアニバーサルモデルです。




■ ラックスマンの歴史

ラックスマンの歴史はこのコーナーでも度々取り上げていますが、その歴史は実に95年にも及びます。

参考:ラックスマン(LUXMAN)製品を語る 「Vol.1」「Vol.2」「Vol.3

そんな95年の歴史の中で大ヒットしたプリメインアンプとしては、最初期の「SQ-5B(1962)」、続いて「SQ-38F(1968)」「SQ-505(1968)」「L-560(1985)」と続きました。

その後、1990年代を前に「アルパイン」と資本提携。「ALPINE/LUXMAN」と「LUXMAN」と言う“二足の草鞋”をはいたラックスマンにとっての不遇の時代が続いていました。

そんな中、その後のラックスマンの歴史を大きく変えるヒット作が登場するのです。それが1989年登場の 純A級プリメインアンプ「L-570」でした。

当時のバブル景気とあいまって、総重量30kg、定価35万円と高額ながら、各オーディオ誌で高評価を得て、世界最高のプリメインアンプとも称されたのです。

当時この「L-570」と英国ハーベスのブックシェルフスピーカー「HLコンパクト」の組み合わせは大人気となり、大ベストセラーとなったのです。


LUXMAN『 L-570 』

それでは、以下より『 L-595A LIMITED 』を詳しく見てまいりましょう。


(1) パネルデザインと外装

何と言っても印象的なのはそのデザインです。セレクターとボリュームノブだけのシンプルなデザインが主流の昨今ですが、確実にかつ直感的に入力切替が可能なダイレクト選択型のアルミヘアライン製角形入力スイッチ、大型のボリュームノブは、ほのかに照らされたLEDインジケーターとその周囲の大きなザクリによって容易に音量レベルが直読できます。

そしてこれも「L-570」同様、ヘアライン仕上げの前面パネルの下部に、黒のアルマイトパネルを使うことでツートンカラーとなり、見た目の高さを抑えることで精悍なデザインとなっています。この結果、当時より金属加工技術が大きく向上していることで、オリジナルの質感を遙かに超えることができたと言います。

さらにボンネットからサイドに至るコの字ケースは、同社のフラッグシップの真空管パワー「MQ-300」の化粧板や、真空管プリ「CL-1000」の木箱同様の、上質な13mm厚MDF素材・天然木の突き板にローズウッド色の光沢塗装を施したウッドキャビネットで囲まれており、所有欲をそそるハイエンド機ならではの高級感が漂います。


(2) 独自の増幅回路ODNFの最新最終進化形「ODNF-u」搭載

LUXMAN独自のODNFは1999年に同社カーオーディオアンプ「CM-2100」に初めて搭載。以来改良に改良を重ね磨き上げられてきました。この技術は、音楽成分はそのままに歪成分のみを検出し、それをフィードバックすることでS/Nに優れた躍動感溢れる瑞々しいサウンドを実現したのです。

そのODNFが第4世代の「ODNF Ver.4.0」となり完成の域に達したのですが、さらにもう一度見直しを入れ、歪検出アンプの出力をパラレル駆動とすることで、インピーダンスをさらに低く抑え、歪検出精度を極限まで向上させることができたのだとしています。


(3) 新LECUA(レキュア)1000

LECUA(Luxman Electric Controlled Ultimate Attenuatot)は、2003年発売の「C-70f」に初めて搭載されて以来、改良&進化を遂げてきた独自の音量調整機能です。ボリューム位置検出用の電流を流して、その変化量をマイコンが検出。リレーを介して異なる抵抗を配置した基板上のボリューム位置が示す抵抗値(抵抗が片ch直列に1dBステップと11dBステップの2本だけしか入らない)へ接続して音量調整を行う高純度なアナログボリュームです。

『 L-595A LIMITED』では、同社のフラッグシッププリ「C-900u」や最高峰プリメイン「L-509X」に採用されているアンプ回路一体型の「新LECUA1000」を搭載。微小音量域でのL/Rchのレベル偏差、音量ポジションでの音質差を極小にしています。ボリュームは0〜87dBの88接点で細かく調整可能です。


(4) その他の主な特長

@プリの出力段に、同社トップエンドプリ「C-900u」と同等のディスクリートバッファー回路を搭載。音楽信号の純度が保て、パワーアンプ部への駆動力が向上し、音の立ち上がりやスケール感に寄与できたとしています。

A定格出力は3段ダーリントン3パラレルプッシュプル構成で純A級30W+30W(8Ω)、60W+60W(4Ω)を獲得。

B高レギュレーションの大型電源トランスとL/R独立80,000μFの大容量ブロックコンデンサーによるハイイナーシャ(高慣性)電源搭載。

C大型スピーカーリレーとSP端子までの低インピーダンス化で、ダンピングファクター370を実現。

D高級フォノイコライザー並のハイグレードなMM/MC対応のフォノイコライザー回路を内蔵。

Eプリ部など小信号ブロックへの外来ノイズの飛び込みを遮断するためのシールドとして、銅メッキ綱板を装着。

F最も使用頻度の高いLINE1の端子には、真鍮の硬度と銅の導電率を併せ持つ高品質カッパーアロイRCA端子を採用。

Gレッグ(脚)にはデリケートな音楽信号を不要な振動から守るため、ゲラデーション鋳鉄製を採用。


■ まとめ

以上のように『 L-595A LIMITED 』は、デザインこそ往年の「L-570」のイメージを継承はしていますが、単なる銘機の復刻ではなく、中味は最新のラックスマンの技術ノウハウを注入して、最新の純A級プリメインアンプとして完成させたのです。

ラックスマンの担当者曰く、既に試聴されたオーディオ評論家の評価は非常に高く、「これまでのラックスマンのプリメイン史上最高!」「同社のL-509Xとも全く違う瑞々しいサウンド!」「趣のあるデザインで、見た目を裏切らないサウンド!」「非常に魅力的な音で安すぎる!」などなど絶賛されたとのことです。

このデザインに惚れたオーディオファンや音楽ファンは勿論のこと、最新鋭&最高峰のプリメインアンプをお探しのオーディオファイルに自身をもってお勧めします。
(あさやん)


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