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[ 2021年 3月 2日付 ]

 ラックスマン製・デジタルプリメインアンプ・キット「LXA-OT4」を作ってみた

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。今回は、ONTOMO MOOKで有名な音楽之友社から発売されているラックスマン製キットシリーズから、デジタルプリメインアンプ・キット「LXA-OT4」をご紹介します。



以前に雑誌のSTEREO誌の付録として好評だった「LXA-OT3」の音質をグレイドアップしてシャーシもセットとして発売されました。キットとは言え、基本的にはネジとナットを止める作業のみなので、順を追って慎重に作れば、誰でも必ず作れます。

ただし、今回のキットは雑誌の付録ではなく、商品単品として発売されているので、段ポールの箱に梱包されています。





■ デジタルなのにアナログの音? デジタルアンプっぽくない!「LXA-OT4」20,900円(税込)

同梱されているキットの組み立て方冊子(カラー写真P4・図解入りで組立てを解説)

安全上の注意点や操作方法についても記載されていますので熟読の上、製作にかかりましょう。


■ では早速作っていきましょう。

まずは、KIT内容を確認。冊子に記載されている内容物が全て揃っているか確認しましょう。
あわせて「安全上のご注意」も熟読しておきましょう!

箱を開けると昔ながらのLUXKITのグレーの吹き付け塗装が・・「懐かしい〜!」。ブルーの基盤が中々格好良いですね〜。


■ 組立てに必要なものを揃えておきましょう。

用意するのは「プラスドライバー」「ペンチ・ラジオペンチ」。プラスドライバーはしっかりしたものが必要です。(サイズはNo#2)

※このキットのシャーシネジはタッピングネジが採用されています、ネジで溝(タップ)を切っていくタイプなので、しっかりと押さえつつ、90°程度回して少し戻すを2〜3回繰り返す必要があります。

精度の悪いドライバーや、ネジ溝とかみ合わない寸法のドライバーを使うと、刃先やネジ山をつぶしてしまう可能性があります。

レンチはボリュームつまみを1箇所止めるだけです。モンキーレンチやラジオペンチでも問題なく作業できます。


■ まずは基盤を固定します。


シャーシの底からリベットを3箇所差し込みます。

基板をリベットに差込んで固定します。前面の左側はアースとなるので、向きに注意。

シャーシ底板と基板をアース用ワッシャーとアース用ネジで固定します。

リアパネルを底板に固定します。RCA端子、スピーカー端子、電源端子の位置を合わせます。
底の2箇所のネジはしっかりと固定、側面の2箇所のネジは最後に調整があるので仮締めにしておきます。

RCA端子で1箇所、スピーカー端子で2ヶ所のネジで固定します。


■ フロントパネルも取り付けます。


フロントパネルから出たボリュームのシャフトにワッシャーと固定ナットを締めます。

ボリュームつまみを角度を見ながらちょうど良い位置で押し込みます。使いやすい位置で良いと思いますが、一般的には時計の7時ぐらいが良いのではないでしょうか。


■ 最後に天板を被せてネジ止めしましょう。


シャーシ用のネジは全部で12箇所あります。全てタッピングネジですのでご注意下さい。穴の加工精度は高くズレルことなく組立てできます。ネジは一気に締めるのではなく、まずは軽く仮り止めして最後にシャーシ全体の歪を確認しながらしっかりと締めましょう。

底板に付属のゴム脚を貼り付ければ完成です。

スピーカーケーブル、RCAケーブルを接続しましょう。


■ では、早速電源を入れてみましょう。

ボリュームの音量が下がっているのを確認して、電源を入れてフロントパネルのLEDが点灯するか確認。暫く電源を入れたままにして、異常な発熱や、変な臭いが発生していないか確認して下さい。

今回は写真撮影しながら組み立てましたので1時間ほどかかりましたが、通常でしたら慎重に作業しても30分程度で出来ると思われます。

注意点:本製品はBTLアンプのため、スピーカーセレクターの接続はアンプの出力が短絡し過大電流が流れ、故障の原因となりますので接続できません。

基板内部のジャンパー設定で、入力段オペアンプのゲイン(利得)切り替えが出来ます。
ディフォルトは6dBに設定されています。

6dB(アンプ総合利得:26dB)
4dB(アンプ総合利得:24dB)
2dB(アンプ総合利得:22dB)
0dB(アンプ総合利得:20dB)に変更可能。


■ オペアンプは簡単に交換が出来ます。(オペアンプがプリアンプになっています)

オペアンプの端子はソケット式になっているのでラジオペンチなどで、簡単に交換が出来ます。 市販のオペアンプはピンキリですが(数十円〜数千円)。

後段の付属のオペアンプは標準品として一世を風靡した「JRC-4558」で、高いコスパを誇る製品(数百円クラス)、グレイドアップにはオーディオ用として開発された製品(MUSEシリーズ「MUSES01D」など)がお勧めです。

チップには方向性があるので注意しましょう。(事前に写真撮影しておくと安心です、○マークを合わせる)

オペアンプをグレイドアップすると解像度、表現力、帯域幅、Nノイズ特性など劇的に改善されます。オペアンプの交換は自己責任となりますので予めご了承願います。


■ 総評

ラックスマンKITの「LXA-OT4」は慎重に扱えば誰にでも必ず完成させられる製品です。基板などの電気系統は全く加工する必要なく、シャーシのネジ止めもしっかりとしたドライバーを用意すれば問題ないでしょう。作りは結構精度が高くシャーシの継ぎ目のズレもなく、ガタツキもありませんでした。

音質評価:以前付録に発売していた「LXA-OT3」はPCのモニターに使っていましたが、それと較べると、「LXA-OT4」は電圧が15Vから24Vにアップ、出力も12W+12Wから20W+20Wに大幅に上がっています。歪率は0.5%から0.06%に改善されており、かなりのグレイドアップになっています。

一見するとシンプルな基板で、電源もACアダプターなのを考えると、驚くほどの音質を聴かせてくれます!

ICチップにもかなり高級なアナログ・モノラル・ICが採用されており、設計には全く手を抜いていないのが良く分かります。さすがは「ラックスマン」と言える音質で、デジタルなのにアナログの音? まさにその通りの魅力的なサウンドです。

長時間聴いていても、聴き疲れしない、心地よいサウンドを聴かせてくれます。この価格でこのような音楽性のある音質が得られる製品はなかなかお目にかかれないのではないでしょうか!!
(ichinose)



ラックスマン製・デジタルプリメインアンプ・キット『 ONTOMO MOOK Stereo編 LXA-OT4 』はこちら


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