カテゴリから選ぶ

[ 2016年 8月 30日付 ]

Fundamentalのスモールモニターが「SM10Z」に進化&深化!?

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
本日は、スモールモニターの最終完成型と言えるFundamental(ファンダメンタル)「SM10Z(エスエムテンゼット)」を取り上げます。設計者の鈴木氏が自ら1台ずつカスタムメイドしているので、これ以上の信頼感はありません。

パワーアンプ「MA10」の開発者!鈴木 哲(すずきさとし)氏

Fundamentalはすでにご存知のように、SOULNOTE(ソウルノート)のハイエンドブランドとして2012年にプリアンプ「LA10」を発表、その後スピーカーシステム「RM10」を2013年に発売しました。

それらの開発者は言わずと知れた『鈴木 哲(すずきさとし)氏』で、その後プリアンプの開発から3年が経過した2015年末になって、ようやくパワーアンプ「MA10」の完成にこぎ着けたのでした。

その間の2015年9月1日、かつてSOULNOTEブランドを立ち上げ、その後業務委託という形をとっていた(株)CSRにSOULNOTEブランド自体を禅譲しています。

独立した際、Fundamentalが掲げた創業理念は、

@音楽の両輪たるハードとソフトを境目・切れ目なく扱う
A演奏者の発する楽音をリスナーの耳までもれなく届ける
Bそのためのすべてのプロセスを担当する中で、高品質な音楽にかかわるハード/ソフトを提供していく

というものでした。そのために開発者の鈴木氏が自ら、Fundamentalブランドの全モデルを一台一台完全に手作りして、世に送り出しているのです。

氏曰く、過去にハンダを他の人に任せてみた所、音が変わってしまってダメだったそうです。それ位に微妙な作業であり、やはり自分がやらねばということになったようです。

最新情報!「SM10」が「SM10Z」に進化!!

そのFundamental製品のラインナップの中で、当初のSOULNOTEブランドが途中で Fundamentalブランドに変更され、唯一生産が続いて来たのが2010年発売のスモールモニター「SM10」です。この度その「SM10」が「SM10Z」に進化&深化したとの最新情報を入手しましたので、早速取り上げてみたいと思います。

従来機「SM10」は、同軸2ウェイ(ツイーターは5kHz以上を補強)ならではの明確な音像定位や広い指向性、サイズを超えたエネルギー表現が評価され、音楽制作現場でのニアフィールド・モニタースピーカーとしても、一般家庭での音楽鑑賞用としてもロングセラーを続けてきました。

今回発売となった「SM10Z」は、音楽制作現場や一般ユーザーからの様々な意見を参考に、細かな改良を積み重ねることで、スモールモニターとしての完成度を一層高めたのです。その細かな改良部分を次に見て参りましょう。

【従来機からの改良部分】
@過渡応答性に優れ、動的な剛性特性を突き詰めた『新ネットワーク』を採用することで、同軸2ウェイのユニット間の繋がりがよりスムーズになった結果、従来機以上にシームレスかつダイナミックな音楽表現を可能としています。
A入力端子にもこだわりを見せ、上級機「RM10」に使われている『高品位ロジウムメッキ』されたスピーカーターミナルを採用することで、低インピーダンス&定インピーダンスを実現し、小音量時の解像度が確実に改善されています。
B入力端子を支えるターミナル取付ボードも「RM10」同様、『アルミの削り出し材』を採用しています。これにより音楽信号の接点での損失を最小限にすることができ、スピーカー全体の剛性も高めています。またエンクロージャーの内容積の最適化も行われています。

【従来機からの踏襲部分】
同軸2ウェイユニットとエンクロージャーについては基本的に前作と同一です。
@エンクロージャー内の全面に特殊なヒダ加工を施すことで内部定在波を抑制し、必要悪とされる吸音材を一切使用していません。
A入力端子とユニット間の配線には、Fundamentalお得意のスズコートOFCを絶縁被覆なしの裸線として使用し、ストレスのない鳴りっぷりの良さを目指しています。
B丹念な11層ものピアノブラック塗装を施した18mm厚MDFエンクロージャーを採用しています。コンパクトな形状による強固さに加え、滑らかな仕上げにより音の回り込みをスムーズにすることで音の定位感を向上させています。
CFundamentalのお家芸とも言える独自のスリット付きのスパイクピンを標準装備しており、3点支持とすることでスピーカーの剛性をアップし、ハイスピードな再現を可能としています。スパイクピンは長短3本ずつあり、前後で使い分けることでスピーカーの仰角の調整も可能です。
Dバスレフダクトは底面に装備されており、ベースプレートとの間で音圧を圧縮して放出する(ロードをかける)ことで低域を補強しています。

このように従来機の優れた部分は踏襲しつつ、新しく手に入れたノウハウで僅かな弱点まで改善しているのです。そしてそこに鈴木氏の絶妙なチューニングを加えて完成したのが「SM10Z」という訳です。

それでは、鈴木氏に直接お電話で「SM10Z」に対する自信の程をお伺いしましたので、ご参考になさって下さい。

鈴木氏が語る「SM10Z」

最も効いた改良点は、アルミの削り出し材によるターミナル取付ボードだそうで、それによる内容積の微調整の効果もあり、低域が聴感上明らかに下に伸びたとのことです。スピーカーの筐体が強化されたことで、大音量時の暴れも抑えられ、小音量時の表現力や繊細感も確実に向上したとのことです。

また、ネットワークの改善により、従来機で若干感じた高域の暴れが抑えられ、抜けが良くなっています。低域から高域への繋がりがさらに良くなり、フラットで広帯域な周波数特性を実現できたと言います。三次元的な空間表現力も明らかに高まったとのことです。

最後に

従来機「SM10」にあった躍動感や定位の良さはそのままに、低域方向への拡大と高域の透明感や伸びやかさを向上させた「SM10Z」は、まさにスモールモニターの最終完成型と言える製品となっています。 卓上モニターとしてだけでなく、比較的小スペースでのリスニング用としても、音楽ジャンルやスタイルを選ぶことなく、楽しくワクワクするようなリアルで超ハイスピードなサウンドを聴かせてくれます。特にボーカルの表現の細やかさは異常な程の生々しさです。

一般的な小型スピーカーとは異次元の「スタジオモニターとは何ぞや!」というサウンドを具現化して聞き手に突きつけるような、まさに“迫真のサウンド”とも言えます。 従いまして、ゆったりリラックスして音楽を楽しみたい方には、本機はお勧めしません。

そして、何よりここが「SM10Z」の一番の売りですが、設計者の鈴木氏が自ら、受注後1台ずつ組立・調整・測定まで一人で行うカスタムメイドなのですから、これ以上の信頼感はありません。さらに責任の証としてサインまでして出荷されるとのことです。 「SM10Z」は、まさに鈴木氏の“一台入魂”の作品なのです。

※「SM10Z」は受注生産品ですので、納期は受注後2週間程度となります。
※パーツ切れの際はさらにお日にちをいただく場合もあります。予めご了承下さい。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)



Fundamental『 SM10Z 』 はこちら

    ※ご紹介した製品は販売を終了いたしました。