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[ 2017年10月10日付 ]

PCオーディオに画期的音質改善アイテム登場!! iFI Audio ガルバニック・アイソレーター『 iGalvanic3.0 』

ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、PCオーディオの性能を究極にまで押し上げる、iFIオーディオのガルバニック・アイソレーター『 iGalvanic3.0 』を取り上げます!
PCオーディオでUSBにおける問題点「ガルバニック」という現象を解決しうる画期的なアイテムです。


iFIオーディオ『 iGalvanic3.0 』


 ■ PCオーディオの現在

PCオーディオ(PCとUSB-DACによるハイレゾ音源再生)がオーディオの新たなジャンルに加わって早10年近くになろうとしています。この間、据置あるいはポータルタイプのUSB-DACが多数発売され、さらにはそこから枝分かれしたネットワークオーディオも大きな地位を占めるに至っています。

しかし、最近は一時の爆発的なブームは沈静化し、その一部はアナログレコードに向かってしまったり、CDに回帰してしまいましたが、PCオーディオも最終的には、オーディオリスニングにおける1つのジャンルを確立した感があります。

一時は、パソコンメーカーを中心に雨後の竹の子のごとく発売されていたポータブルタイプのDACはそのほとんどが淘汰され一部を残すのみとなり、一方の据置タイプも音質的に一日の長のある国内のオーディオメーカー製と、画期的な海外製品のみが生き残り、これらが現時点では、残存者利益を享受しているのは明らかです。

そんな中、新たな発想によるPCオーディオの音質を改善する画期的アイテムが登場したのです。それがiFI Audio(アイファイ・オーディオ)の『 iGalvanic3.0 』です。

 ■ 「Galvanic(ガルバニック)」とは!?

「Galvanic」。ほとんどの方は初めてお聞きになる言葉だと思います。

かく言う私自身も新製品のレビュー資料を見るまでは、一度も聞いた覚えのない名前でした。その「ガルバニック現象」に着目して開発されたのが、今回ご紹介します『 iGalvanic3.0 』というわけです。

まずは、「ガルバニック」の説明から始めたいと思います。

PCオーディオには必須のUSB。そのUSBにおける問題点の最も効果的な解決策の一つが「ガルバニック・アイソレーション(絶縁)」であるのだそうです。しかし、実際にはその対策はほとんど実行されていないのが現状で、そこには技術的に乗り越えるべき、大きな壁が存在したのです。iFI Audioは、その調査に2年を費やした「技術的な挑戦」の結果、『 iGalvanic3.0 』が開発されたのだと言います。

「ガルバニック現象」とは、異種金属が接触した際、それぞれの金属のイオン化傾向(金属元素のイオンへの成り易さ)の違いによって電流が流れるのですが、この電流が「ガルバリック電流」と言われるものです。金属製のスプーンや銀紙を噛むとピリッとする(いわゆる歯が浮く)ことがありますが、これが「ガルバニック電流」の仕業だそうです。(通常「ガルバニック絶縁」は、この電流が流れないように異種金属間を電気的に絶縁するため、塗装や樹脂コーティングなどによって行われることが多いと言います。)

通常PCオーディオにおいては、PCとUSB-DACの接続にはアシンクロナス伝送を採用してジッターの影響を抑えていますが、信号ライン及びグラウンドラインからのノイズの混入は音質を損ねる大きな要因で、USBバスパワーを利用する際はさらに大きく影響を受けてしまいます。

従来からPCオーディオにおいては、PCからのノイズを遮断するため、USB-DAC側にデジタル・アイソレーターが採用される場合が多いのですが、そのほとんどが汎用チップによるアイソレートです。それは、トランスでの磁気エネルギー変換やフォトカプラによる光変換などで行われています。しかしそれらのチップではデータの転送速度が最大でも150Mbps程度で、今後広く普及するであろうUSB3.0規格の5Gbpsにも及ぶハイスピード伝送には対応できません。

USB3.0規格は、伝送ラインと受信ラインがそれぞれ独立しており、大量のデータを扱うにはUSB2.0よりも優れており、プロのオーディオ用途を含め、民生用のオーディオ関連機器でも将来的には間違いなく普及します。 『 iGalvanic3.0 』は、USB3.0(もちろんUSB2.0)に完全に準拠しており、すべてのスピード(1.5Mbps〜5Gbps)とすべての伝送モードにも対応しているとしています。

このハイスピード伝送を解決すべく、iFI Audioはその母体でもある英国AMR(Abbingdon Music Research)がもつノウハウや技術を駆使して、従来技術では避ける事のできなかったレイテンシー(データ処理の遅延)のないUSB信号の絶縁技術を開発したのです。この技術を使って完成したのが、USB3.0に完全対応した、世界初のガルバニック・アイソレーター『 iGalvanic3.0 』なのです。

 ■  PCオーディオの性能を究極にまで押し上げた『 iGalvanic3.0 』

『 iGalvanic3.0 』に採用された「ガルバニック絶縁」は、信号ラインだけではなく、電力やアースラインを含めて完全な絶縁を行っており、USBでの高速伝送時のノイズの混入を防止し、アースループも遮断できたとしています。これにより従来技術では叶わなかった正確でノイズのない高速伝送が実現できたのです。さらにバスパワー電源も超低ノイズ電源に変換して供給されるとしています。

お持ちのPCオーディオシステムへの『 iGalvanic3.0 』の接続は非常に簡単で、パソコンとUSB-DACの中間に挿入するだけです。パソコンと本機の間は付属のケーブルで繋ぎ、本機とUSB-DACの間は従来のケーブルを使います。また、特にUSB3.0を使ってのUSB信号伝送では、信号経路が従来のUSB2.0より遙かにシンプルとなるため、より効果的にPCからのノイズのアイソレーションが可能になるとしています。

この『 iGalvanic3.0 』こそ、PCオーディオの性能を究極にまで押し上げたと言えます。その効果は、従来のデジタル・アイソレーション搭載機器で感じるS/Nの良さを遙かに凌駕する圧倒的な静かさを実現したとしています。

 ■  試聴しました

サウンドは、実機をお借りして短時間ですが、弊社リファレンスシステムで確認しました。

まず感じたのは、スピーカーから音が完全に離れたのです。結果、臨場感が素晴らしく、左右はもちろん奥行き方向の再現は抜群で、奥の奥まで見通せるように感じました。特にライブ音源(ビル・エヴァンストリオ「ワルツ・フォー・デビィ」)で、会場でのグラスが当たる音や咳払いなどのザワザワ感が従来より明らかにはっきり聴き取れました。バイオリンの艶、ボーカルの喉の湿り気のある質感、深く沈む低域、さらにピアノは立ち上がりの良さに加え、響きの消えゆく感じも忠実に再現されたのです。

トータルでは、解像度が非常に高く表現が緻密になり、特に締まりの良い低域、曖昧さのない中低域、充実した安定感のある中域、透明度の高い高域など、これがPCオーディオかと思わせる程でした。ソフトに入っているすべての情報が再現されているのではとも感じました。また、ハイレゾソフトのグレードが上がる程『 iGalvanic3.0 』の効果が現れるとも感じました。

 ■ 最後に

本機のパフォーマンスを更に引き上げるために、iFIが提案しているのは、同社のUSBパワーフィルター「iDefender3.0」とDC電源アダプター「iPower」を併用することです。

セルフパワーのUSB-DACをお使いの場合は、これらをPC側に配置しPCの電源を完全に切り離すことで、PCのソフトウェアのジッターを低減することができ、PCでの再生が向上します。また、「iDefender3.0」と「iPower」を『 iGalvanic3.0 』の出力側に配置することで、通常のUSBよりも強力な電流を供給することができ、ノイズをさらに低減することができます。特に高出力のUSB-DAC付きヘッドフォンアンプには有効だとしています。

「iDefender3.0」のみを『 iGalvanic3.0 』の上流側に配置してPCの電源を遮断します。これによって『 iGalvanic3.0 』とUSB-DACの上流側にクリーンな電力を供給します。最終的には『 iGalvanic3.0 』の上流と下流の両方を試してみて音の良い方を選んで欲しいとしています。

『 iGalvanic3.0 』は、PCオーディオとアース設定のために、ゼロから開発された専用のUSB3.0アイソレーションによって、いかなるPCオーディオにも高度な技術で対応しているのです。それは、部品カタログからチップやコンデンサを適当に選んで寄せ集めたものなどでは決してありません。本当に時間をかけて、あらゆるノウハウを駆使して開発したのです。

これこそがiFIオーディオにしかできない《 PCオーディオへの解答 》です。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)




iFI Audio ガルバニック・アイソレーター『 iGalvanic3.0 』


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