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[ 2018年10月30日付 ]

 ESOTERICのデジタルプレーヤー『 K-05Xs 』『 K-07Xs 』は"CD回帰派"におすすめ!〜 アナログブームの陰で、CDが再度見直されてきています。〜
ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、"CD回帰派"のオーディオファンにおすすめのESOTERIC(エソテリック) CD/SACDプレーヤー『 K-05Xs 』『 K-07Xs 』をご紹介! 情報量は圧倒的で、CDプレーヤーの進歩を改めて思い知らされました。


■ CD回帰派のオーディオファンに

21世紀に入って、ハイエンドオーディオの新しいソフトとして、SACD、PCオーディオ、ネットワークオーディオ、そしてアナログレコード(リバイバルですが)と次々変遷してきました。

しかし、日本のオーディオファンは、ソフトの物・形としての価値感を重視するため、どうしてもPC&ネットワークオーディオのようなデータ化されたソフトでは、十分な満足は得られなかったのでした。その究極の姿が30cmで紙ジャケのアナログレコードだったのです。

結果、一部のマニア層(今回のアナログブームはアナログ未経験者が中心でしたが)は、本格的なレコード再生に再度取り組まれたものの、音質では十分満足しつつも、ソフトやパーツ類の供給不足、そして高額化で、アナログ全盛期のようにはどうしてもいかなかったのです。さすがにメインソフトの座を奪うことはできませんでした。

過去からの豊富なアナログディスクを所有されている、恵まれたアナログマニアの方は別として、ほとんどのオーディオファンにとっては、結局のところ物・形としての価値感のあるCDやSACDがメインソフトに落ち着くケースが、筆者も含めて多いのではなかったかと思います。

そんな"CD回帰派"のオーディオファンに向けて、ESOTERICが自信をもって発売した、ハイエンド・スタンダードモデル『 K-05Xs 』、ハイエンド・エントリーモデル『 K-07Xs 』をご紹介したいと思います。


■ ESOTERICの強み

ESOTERICのCD/SACDプレーヤー"Kシリーズ"としては、フラッグシップ「Grandioso K1」を頂点に、「K-01Xs」「K-03Xs」、そして今回ご紹介する『 K-05Xs 』『 K-07Xs 』と、実に5機種のハイエンド・デジタルプレーヤーをラインナップしており、これはもちろん世界一の品揃えです。

ESOTERICが他メーカーに比べ、最も恵まれ競争力のある理由は、何と言っても自社でメカが作れることです。そして最上位機「Grandioso K1」のエッセンスである、DACやオリジナルの電流伝送などの最新技術を、惜しみなく下位モデルに注げることです。これは一から同じ価格帯のプレーヤーを設計するより遙かに有利なのは、明らかです。これこそ技術の「トリクルダウン」とも言えるでしょう。


■ 『 K-05Xs 』

まずは、ESOTERICの最新スタンダードモデル『 K-05Xs 』です。初代の「K-05」は2011年に登場し、2015年には「K-05X」に進化し、今回は第3世代に当たります。


"Kシリーズ"の最大の"売り"は何と言ってもターンテーブル方式のローディングメカ「VRDS」です。本機は同方式のメカを搭載した製品では最も低価格の製品です。そのメカの正式名は「VRDS-NEOスーパーオーディオCDトランスポートメカニズム」といい、世界の名だたるハイエンドブランドのプレーヤーにも採用される信頼のメカです。

本機のメカは前作を踏襲してVRDS-NEO「VMK-5」を搭載。回転の慣性モーメントの小さい高精度のアルミ+ポリカーボネイト素材によるハイブリッド・ターンテーブルを採用しています。ブリッジ部は、内部損失の大きいBMC素材とスチールによるハイブリッド構造をとることで、回転振動を大幅に低減しています。

今回の世代交代の"肝"はD/Aコンバーターの一新です。DACチップはAK4490から、同じ旭化成エレクトロニクス社の新型AK4493に変更されています。この結果、USB-B入力では、768kHz/32bitのPCMと22.5MHzのDSD信号まで対応するようになったのです。またUSB接続時は今話題の「バルクペット伝送(※)」にも対応しています。
(※参考:「Bulk Pet」は、転送するデータ量とタイミングをコントロールし、連続的に転送にすることで、送信するPC、受信するD/Aコンバーターとも処理負荷が低減され、音質が改善される。)

上位機同様、34bit DACチップAK4493を複数個組み合わせ、34bit(24bitの1,024倍)「ハイビットD/Aプロセッシング」(※)を採用することで、驚異的な高解像度と際立つ表現力を実現できたとしています。
(※「K-1Xs」はAK4497を使用し35bit、「K-3Xs」はAK4497を使用し34bit)

そしてこちらも上位機から継承し、広大なダイナミックレンジを実現すべく、独自の電流伝送強化型出力バッファー回路「ESOTERIC-HCLD」を採用。スルーレート2,000V/μsという驚異的なハイスピードや瞬間的な電流供給能力を高め、リアリティー豊かな音楽のダイナミズムを再現できたとしています。

さらに『 K-05Xs 』では、PCM信号の最大16倍のアップコンバートや22.5MHzDSDへのフォーマットの変換が可能なD/Dコンバート機能、新たにESOTERICのプリメインアンプ"Fシリーズ"などの対応機種との独自規格のアナログ電流伝送方式「ES-LINK Analog」機能にも対応し、同社ファンには欠かせない機能を搭載したプレーヤーとなったのです。

もちろん同社製品では要である内蔵クロックにも手抜きはなく、本機専用のカスタムVCXO(電圧制御型水晶発信器)を搭載し、ハイエンド機器に相応しい中心精度(±0.5ppm)を誇っています。さらなる高みを狙える外部クロック入力も装備しています。

音質を大きく左右する電源部にも手抜かりはなく、デジタルプレーヤーとしては異例な大型トロイダルトランスと新設計のカスタムコンデンサー330,000μF(0.33F)という驚異的な大容量のスーパーキャパシターEDLCを組み合わせたハイスピードで強力な電源を搭載しています。

アナログ出力は、XLRとRCAを各1系統と前述の「ES-LINK Analog」を装備。デジタルは同軸と光の入出力が各1系統とUSB-B入力が装備されています。独自のスチール削り出しインシュレーターで3点支持、ディスプレイには美しい有機ELを採用。筐体の仕上げはほぼ前作と同じ上品でキメ細かな梨地仕上げとしています。


■ 『 K-07Xs 』

この秋(2018)登場の最新鋭ハイエンド・エントリーモデル『 K-07Xs 』です。こちらも2012年の「K-07」、2015年の「K-07X」に続く第3世代機です。


さすがに本機では上級機に搭載されている「VRDS」メカではなく「VOSP」メカとなっていますが、上位モデルと同一の軸摺動型ピックアップを搭載し、高精度な信号読み取りを実現しています。

メカニズムのハウジング部には8ミリ厚のスチール製大口径スタビライザーを装着し、メカニズムの剛性を高め、ディスクの高速回転による振動を排除することで、安定したデータの読み出しを可能としています。

"肝"のD/AコンバーターのDACチップは上位の『 K-05Xs 』と同様、前作のAK4490から、AK4493に変更されています。USB-B入力で768kHz/32bitのPCMと22.5MHzDSD信号まで対応し「バルクペット伝送」も可能です。

その他、「34bit D/Aプロセッシング」「ESOTERIC-HCLD 」「ES-LINK Analog」強力な電源部もほぼ『 K-05Xs 』と共通の仕様を実現し、ある意味お買い得感があります。



■ 最後に
『 K-05Xs 』『 K-07Xs 』のサウンドには非常に共通した部分が多く、この面からも『 K-05Xs 』がお買い得とも言えます。その共通したサウンドとは、全帯域にわたってしっかりした解像度の高いもので、プレーヤー以降のオーディオ機器で如何様にも料理できる癖のないものです。

確かに最上級機に比べると、超が付く低域の切れ味や剛性には若干及びませんが、低域の実在感、中域のクッキリ感、高域の透明感には共通な部分を感じます。さすがに情報量は圧倒的で、CDプレーヤーの進歩を改めて思い知らされました。

USB音源再生やD/Dコンバート機能が更に楽しみ方を広げてくれそうです。ファイルオーディオ、そしてアナログと、酸いも甘いも知り尽くした"CD回帰派"のオーディオファイルにおすすめします。(あさやん)




ESOTERIC『 K-05Xs 』『 K-07Xs 』


    ESOTERIC デジタルプレーヤー


      フラッグシップGRANDIOSO (グランディオーソ)

      ※こちらは2019年に発売されたモデルになります