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[ 2018年11月6日付 ]

 待ちに待った iFiのフラッグシップUSB-DAC『 Pro iDSD 』がついに登場!
ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、PCオーディオマニアにおすすめの「一粒で五度も十度も美味しい」究極のデジタル機器 iFiオーディオのUSB-DAC『 Pro iDSD 』を取り上げます。
コンパクトなボディに最新技術やトレンドを詰め込み、PCオーディオの最先端を走り続けて来たiFiオーディオの集大成ともいえる製品です。


■ 『 Pro iDSD 』がついに発売

iFiオーディオより、注目の新製品USB-DAC/ネットワークプレーヤー『 Pro iDSD 』が発表されたのが今年(2018)6月のことでした。その衝撃的で圧倒的なフィーチャーに筆者を含め、多くのPC&ネットワークオーディオファンが驚かされ、その発売が待たれていました。

「nano iDSD」でDSD:11.2MHzを実現し、PCオーディオのその後の流れを大きく変えたiFiオーディオが、更なる高みを目指して、最新トレンドを追求しつつ、お家芸のデジタルはもちろんのこと、アナログ部分においても同社独自の魅力を追求し、ついに発売に漕ぎ着けたのです。その『 Pro iDSD 』の数々の最新性能と魅力に迫ってまいります。


■ iFiオーディオ

iFiオーディオは、イギリスの伝統あるハイエンドオーディオメーカー「AMR(Abbingdon Music Research)」を母体とするPCオーディオメーカーです。同社の理念は、「コンピューターやモバイルに親和性を持つ新しい世代に向けて、従来のオーディオの枠組みにとらわれない発想により、ハイエンド製品の技術を満載した製品をリーズナブルな価格で提供すること。」としています。

その理念の通り、iFiオーディオの製品群は、そのグレードと価格帯によって「nanoシリーズ」「microシリーズ」「Proシリーズ」に分けられており、 『 Pro iDSD 』はトップグレードの製品です。同社製品はいずれもこれまで、コンパクトなボディに最新技術やトレンドを詰め込み、PCオーディオの最先端を走り続けて来たのでした。その集大成となるのが本機 『 Pro iDSD 』です。

『 Pro iDSD 』は単なるUSB-DACではなく、バランス駆動に対応したヘッドホンアンプであり、アナログの可変出力を選択すれば高性能プリアンプにもなり、さらに同社初のネットワークプレーヤーでもあります。

DNLAやAirPlayにワイヤレスで対応し、ストリーミングによる音楽再生、micro SDカードやUSBメモリーでのファイル音源再生も可能で、機能はまさにてんこ盛り状態です。それでは、『 Pro iDSD 』のハイエンドオーディオ機器としての魅力を順に探っていきます。


■ 『 Pro iDSD 』の魅力とは!

★PCM:768kHz、DSD:24.6MHz(DSD1024)への対応
他の追随を許さない圧倒的なハイレゾ再生に対応していますが、それだけではありません。『 Pro iDSD 』のデジタル部は、4基のバーブラウン製DACチップをスタックすることで、最大8組の差動信号を引き出す構成を取っており、入力信号を内部のFPGA(設計者が構成を設定できる集積回路)を用いた独自のアルゴリズムにより、最大DSD45.2MHz(DSD1024、つまりCDの1024倍)にアップサンプリングした上で、D/A変換する「DSD1024マスタリング機能」を搭載しています。

しかもこのアップサンプリング機能は、後述のネットワーク入力時にも適用できるため、あらゆる音源をDSD1024にアップサンプリングして聴けるという、史上初の機能を搭載しているのです。

★GE製5670×2本を用いたA級・真空管バッファ搭載
『 Pro iDSD 』のユニークな機能として、アナログ出力モードが3種類用意されていることです。一般的なJ-FETを用いた半導体回路を動作させる「ソリッドステート」モード、GE製5670を採用した回路のみを動作させる「真空管」モード、そして前者のNFBを最小限に抑えて動作させる「真空管+」モードの選択が前面パネルで可能です。

高解像度でストレートな「ソリッドステート」モードから、多少丸みを帯び低域が豊かな「真空管+」モードまで、デジタルとアナログ両面の魅力が味わえ、お好みのサウンドで楽しめます。

★フェムト(1000兆分の1)秒精度のグローバル・マスター・タイミング(Global Master Timing)クロック装備
すべての入力データはメモリー・バッファーに送られ、ここでジッターが除去され、ソースに含まれていたジッターがDAC出力に伝送されないように取り除かれます。メモリー・バッファーからのデータは、続いて低ジッターのグローバル・マスター・タイミングクロックを用いて再クロックされます。

さらに同社としては初の外部クロックの入出力も装備しており、10MHzのマスタークロック入力も可能です。デジタルの要であるクロック部にも万全を期しています。

★すべての入力(USBを含む)にガルバニック・アイソレーションが施されています
「ガルバニック現象」とは、異種金属が接触した際、それぞれの金属のイオン化傾向の違いによって電流が流れるのですが、この電流が「ガルバニック電流」と言われるものです。金属製のスプーンや銀紙を噛むとピリッとすることがありますが、これが「ガルバニック電流」の仕業だそうです。

本機のガルバニック・アイソレーションは、信号ラインだけではなく、電力やアースラインを含めて完全な絶縁を行っており、USBでの高速伝送時のノイズの混入を防止し、アースループも遮断できたとしています。これにより正確でノイズのない高速伝送が実現できたのです。

★構成パーツには信頼性で多くの日本製を使用
ALPS(アルプス)製の第一級のモーター駆動式ロータリー・ボリュームを搭載しており、これを使うことで 『 Pro iDSD 』はフル・バランス仕様となっています。またコンデンサーにも、低音のダイナミック・パフォーマンスを最大限に引き出すために日本のELNA(エルナー)製の音響用アルミニウム電解コンデンサ「ELNA Silmic(シルミック)キャパシター」を使用。

さらにデジタル部の電源には、超低インピーダンス環境によって高速な電流供給を実現するため「ELNA Dynacap DZ」スーパー・キャパシターが使われており、これらはすべて最高の音質を達成するための「必須部品」としての選択だとしています。

★豊富な入出力端子を装備
入力端子は、USB3.0(Bタイプ)×1、AES/EBU×1、S/PDIF(RCA同軸/丸形光TOSコンボ)×1、BNC(S/PDIFまたはSync入力)×1。

出力端子は、XLR×1系統、RCA×1系統、ヘッドホン出力には、6.3mmと3.5mm(左右GND分離のS-バランス対応)、さらに2.5mmバランス駆動と万全です。筐体は小さい(213×220×63.3mm、1.98kg)のですが、あらゆる入出力に対応しています。

★同社初のネットワークプレーヤー機能
『 Pro iDSD 』はルーターにダイレクトにリンクして、オンライン・ミュージックを再生することができます。従来iFiオーディオはネットワークプレーヤーも、その関連アクセサリーも一切出さず、USB関連機器に集中してきた感がありますが、今回フラッグシップ機にネットワーク機能を初めて搭載してきたのです。今後の展開が楽しみです。

★MQAデコードにも対応予定
今後ファームウェアのアップデートでMQAデコードにも対応する予定(※)とのことです。(※ 現時点ではレンダラー対応かフルデコードタイプになるか内容は不明です。)



■ 最後に
さて『 Pro iDSD 』の音質の狙いは、(〜輸入元にお聞きしました。) "Pro"の名が示す通り、モニターライクで鮮度感のあるストレートなサウンドを基本としつつ、真空管ならではの余韻感のある、ふくよかなサウンドも再現可能な懐の深さを持っています。

さらに「DSD1024マスタリング機能」では、しなやかでナチュラルなサウンドが実現し、リアルな音場再現力には他の追従を許さないものがあるとしています。

一粒で二度美味しいどころか、五度も十度も美味しい究極のデジタル機器と言えます。まさに「これでもか!」と思わせる機能てんこ盛り状態のiFiのフラッグシップ 『 Pro iDSD 』。

これだけのフィーチャーを詰め込んで、この価格は決して高くはないと思います。是非最先端のPC&ネットワークオーディオを使いこなす喜びを知っているPCオーディオマニアにお勧めします。




『 Pro iDSD 』

※Pro iDSDは販売を終了しました。こちらは端子が変更された後継モデルPro iDSD4.4となります



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