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[ 2019年 3月 12日付 ]

 究極のデジタルプレーヤー! エソテリック『 Grandioso P1X / D1X 』遂に完成!!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。今回は、エソテリックより、遂に完成した究極のデジタルプレーヤー『 Grandioso P1X / D1X 』を取り上げます。


■ オーディオショウで注目の的
昨年(2018年)の「東京インターナショナルオーディオショウ」での出展ブースの中で、最も注目を集めたのがエソテリック。中でも、今回取り上げる最新トランスポート『 Grandioso P1X 』と、D/Aコンバーター『 Grandioso D1X 』に注目が集まっていました。

あまりの来場者の多さに、私もなかなか展示品まで近づけなかったのを思い出します。それほどにオーディオマニアはもちろんのこと、販売店の担当者でさえ、現物を一目だけでも自分で確かめたくて製品の前に殺到したのでした。

オーディオショウの時点では、まだはっきりとした製品価格や製品内容のアナウンスはありませんが、これは恐らくかなりの高額(国産としては)になるだろうことは想像できました。それくらいに同社の従来製品はもとより、世界中のデジタルディスクプレーヤーの中でも飛び抜けたフィーチャーが『 Grandioso P1X 』にも『 Grandioso D1X 』にも見られたためで、その詳しい内容の発表が待ち望まれていました。今回は、その全貌に迫りたいと思います。

■ エソテリック『 Grandioso P1X / D1X 』までの変遷
ティアックがハイエンドブランドとして「エソテリック」を初めて名乗ったのが、今から32年前の1987年。最初の製品がオリジナルのVRDSメカニズムを搭載した「P1」と、そのペアとなるD/Aコンバーター「D1」でした。

その後、1997年にブランド誕生10周年記念として、今や伝説となったCDトランスポートの名器「P-0」を発売。2004年には株式会社ティアック エソテリック カンパニー(その後、2008年エソテリック株式会社に社名を変更)として独立、フラッグシップとなるSACD/CDセパレートプレーヤー「P-01」「D-01」を発売したのでした。

そして2013年、《 ESOTERICのすべての英知を結実し、新たなる頂きへ向かう。グランディオーソと言う名の新たなるフラッグシップ 》として、「Grandioso P1」「Grandioso D1」「Grandioso M1」を発売。2017年にブランド生誕30周年を迎え、2019年春、遂に「究極のデジタルプレーヤー」の『 Grandioso P1X 』『 Grandioso D1X 』が誕生したのです。

それでは、その「究極」のフィーチャーを見てまいりましょう。

■ SACD/CDトランスポート『 Grandioso P1X 』(本体と電源部の2筐体)

前述の初代「Grandioso P1」が登場して6年。この間、CDメカ、とりわけSACDメカは開発メーカーSONYを含め、殆どがその製造から撤退してしまい、SACDのフォーマット自体が存亡の危機とも言える状況(もちろん、一部のレーベルはソフトの供給をし続けてくれていますが)です。そんな中、孤軍奮闘ともいえるのがエソテリックです。それこそが、自社でメカを作れる強みです。

2003年にSACD対応トランスポート・メカニズム「VRDS-NEO」が登場してから16年間、基本設計は変えてきませんでした。『 Grandioso P1X 』では新たなメカ「VRDS-ATLAS」を開発し、搭載したのです。これが今回の最大のトピックです。ちなみに、ATLASとはギリシャ神話の神様で、「両腕と頭で青空を支えるとされる、巨体の神」のことだそうです。

既に、業界最高のメカと謳われた「NEO」のレベルを、これ以上に向上させるということは至難の技であったことは想像に難くありません。これこそ同社にとっては、社運を掛けた挑戦だったともいえます。「NEO」のメカ設計を根幹から見直し、類まれなる機構の構築と高音質を誇る新規設計の究極のメカ「ATLAS」が遂に完成したのです。

「ATLAS」はVRDSメカニズム史上最高の剛性と重量を誇り、剛性と力強い音色を両立するSS400スティール製フレーム、ブリッジを大型化し、「NEO」との比較で重さが+27%(メカ単体6.6kg、ベース部含め13.5kg)もの重量級コンストラクションが実現したのです。この結果、音質に悪影響を及ぼすあらゆる振動を極限まで減衰させたといいます。私はオーディオショウで、メカの見本を持ち上げさせてもらった際の重さには驚愕しました。

ターンテーブルには、すでに音質で定評のあるジュラルミンを採用。スムーズな回転のため、スピンドル軸受けには新設計のスティールボールによる点接触のスラスト軸受け(回転体の軸方向に働く力を受け止める軸受)を採用し、摩擦や回転ノイズを極限まで抑える設計としたのです。さらに、メカニズム全体を低重心化し、モーターをターンテーブルの下側に持ってくる駆動方式に変更することで振動の地面へのアースが強化され、機械的ノイズを圧倒的に低減することに成功したのです。

トレーの開閉機構には、「これぞハイエンド」といえるの操作感・質感を実現。トレーは最も共振が少ない形状にデザインされ、スムーズな開閉、驚くほど遊びが少なく精密にロックします。さらに、特殊な振動吸収樹脂で音楽再生時のトレーの共振を最小限に防いでいます。

「ATLAS」メカ以外にも、
  1. HDMIケーブルを使って広帯域伝送を可能にする独自のES-LINKは最新鋭「ES-LINK5」と進化し、最大:DSD22.5MHz、PCM768kHz/48bitの伝送が可能になりました。『 Grandioso D1X 』との組み合わせで最高のパフォーマンスを発揮します(もちろん『 Grandioso D1X 』にも採用)。
  2. 伝統の本体と電源部を分離した、2シャーシ構成を採用。電源ユニットには、合計で4つの独立したトロイダル電源トランスを搭載。
  3. 電源回路にはスーパーキャパシター「EDLC」を38本(合計容量1,400,000μF)搭載し、低域の解像度などに目覚ましい音質向上を実現できたとしています。
  4. 新たにトップパネルをネジで締め付けないセミフローティング構造にすることで、伸びやかで開放感のあるサウンドを引き出したとしています(『 Grandioso D1X 』にも採用)。

■ D/Aコンバーター『 Grandioso D1X 』(モノラル2筐体)
今や、D/AコンバーターやCDプレーヤーに搭載されているDACチップ(ESSやAKM製)がマニアの注目を集め、少々騒ぎすぎの感なきにしもあらずの状況です。それはあたかも、DACチップが機器の音質を大きく支配しているかのような論調(※)があまりに多すぎるからでしょう。
※ここは私も大いに反省すべきだと思っています。

そんな中、エソテリックは集積回路によるチップよりも、更にハイグレードなパーツ、贅沢な物量を投入して、完全自社設計の64bit DAC回路「ESOTERIC Master Sound Discrete DAC」をディスクリートで作り上げてしまったのです。小さく詰め込まざるを得ないチップとは違い、大きく作れるメリットは計り知れないと思います。


写真のように、半円形に配置された8つの回路エレメントが1つのDAC回路を、それをチャンネルあたり4回路使って構成。合計で32回路(2つの円形として配列)を独立させる贅沢な構成を採用しています。もちろん、自社工場での厳密な管理下で製造し、バラツキを極力抑えているといいます。これこそ至難の技であり、そこにはエソテリック技術陣の執念さえ感じさせます。

前作「Grandioso D1」は、旭化成(AKM)の32bitDAC「AK4495S」を搭載し、PCM:384kHz/32bit、DSD:2.8/5.6MHzに対応していたのに対し、本機では64bit高解像度処理により、PCM:768kHz/32bit、DSD:22.5MHzまでネイティブで変換できるといいます。16bitのCDにおいても、その効果は絶大だといいます。しかも、認証待ち(発売時点)ではありますが、今話題のMQAデコード(もちろん、MQA-CD)にも対応しています。

「ディスクリートDAC」以外にも、
  1. 独自の電流伝送強化型出力バッファー回路(ESOTERIC-HCLD)には、応答速度を表すスルーレートが2,000V/μsという驚異的なハイスピードを誇る素子を採用しています。
  2. デジ/アナの分離を電源部まで徹底し、電源レギュレーターは、集積回路を使わないディスクリート構成としています(『 Grandioso P1X 』にも採用)。
  3. 『 Grandioso P1X 』同様、電源回路の随所に「EDLC」を合計50本(合計容量1,300,000μF)搭載。
  4. ソース、お好みに応じて、PCMデジタル信号を2 / 4 / 8 / 16倍(最大768kHz)へのアップコンバートや、PCM→DSDの変換機能も搭載しています。さらにデジタルフィルターのON / OFFも可能です。リスナーの好みの音質が選べます。

■ 最後に
このように、フラッグシップの名に相応しい究極のデジタルプレーヤー(トランスポート+D/Aコンバーター)の完成です。16bitのCDの音がハイレゾを上回ったとの噂も流れてきました。まさに、エソテリックは「そこまでやるか」を具現化してしまったのです。

エソテリックが、さらにその上の行く「超エソテリック」になった瞬間です。
(あさやん)

■ ご自身の耳で確認できるチャンスです!!
エソテリック 最高峰モデル『 Grandioso P1X / D1X 』新旧比較徹底試聴会をジョーシン日本橋1ばん館4Fにて開催。
[日時] 2019年3月21日(木・祝) 13:00〜15:00
[場所] 大阪・日本橋 ジョーシン日本橋1ばん館 4F リファレンスルーム
[参加予約] ジョーシン日本橋1ばん館4Fのレジで直接お申込みいただくか、お電話(06-6634-2111)でお申込みください。


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