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[ 2019年 5月 7日付 ]

 オーディオラックの新しい時代を告げる『 TAOCオーディオラック 』

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。

TAOCラック史上、最大のフルモデルチェンジ! 今回は、オーディオラックの新しい時代を告げる、ベーシックな『 CL series 』とハイエンドな『 XL series 』を取り上げます。

ハイエンドオーディオ情報で、オーディオラックを取り上げるのは初めてとなりますが、それほどに画期的であり、オーディオファイルが待ち望んでいたオーディオラックの登場です。


■ TAOC(タオック)について
TAOC(タオック)は、トヨタ系のアイシン高丘(株)のハイグレードオーディオのブランドです。

1983年からインシュレーターなどのオーディオアクセサリー、1999年にはスピーカーシステム「FC7000」を発売。続いて、2002年にはブックシェルフ型の「FC3000」が発売され、ヒットしました。

その型番の「FC」こそ、TAOCの全ての製品に共通する《 鋳鉄 》を意味しています。

※鋳鉄:2パーセント以上の炭素を含む鉄合金で、一般的にいう鋳物(いもの)のこと。 通常より多い、4%近くまで炭素量を増やしたものを「ハイカーボン鋳鉄」といい、炭素量が多いと黒鉛(グラファイト)の結晶が固化するため黒色をしており、その断面の色から「ねずみ鋳鉄」とも呼ばれます。



スピーカーの開発を通じて、TAOCが得た結論はズバリ「響きとの共生」です。

鋳鉄に含まれる黒鉛の振動減衰効果によって、音の濁りの原因となる不要な振動を抑える「制振」と、自然で美しい響きを積極的に活かすための「整振」、これがTAOC製品のコンセプトとなっています。

そして、この「整振」テクノロジーを使ったTAOCのオーディオラックは、これまでのオーディオラックに比べ、低音域での立ち上がり、立ち下りを改善し、音の分離と情報量を向上させ、解像度の良い美しいサウンドを実現したのです。

従来、TAOCのオーディオラックには5つのシリーズがありました。

最もベーシックな「MSR series」、支柱に特殊制振材を挿入した「BSR series」、曲線を強調したデザインで脚部に鋳鉄製の大型スパイクを標準装備した「MSMKII series」、その上にはアルミと鋳鉄によるハイブリッド構造で精悍なデザインの「ASRII series」、そして「制振&整振」技術を集大成させた最高峰の「CSR series」です。

その中の「MSR series」が『 CL series 』に、「MSMKII series」が『 XL series 』に大幅にモデルチェンジされました。

■ CL seriesの「CL」とは、Comfortable Life(快適な生活)のこと

画像はCLシリーズ「CL-3S-DB」


  1. 新制振機能「FCセパレートシステム」を採用

    同社のハイエンド「CSR series」での開発ノウハウを生かし、棚板を形状も素材も違う、上部(新開発のスーパーハイカーボン鋳鉄)と下部(グラデーション鋳鉄)のスペーサーでサンドウィッチをすることで、棚板同士の分離感を向上できたのだとしています。

    ハイカーボン鋳鉄は普通の鋳鉄より黒鉛の形状が大きい鋳鉄で、グラデーション鋳鉄は黒鉛の形状が外側が細かく内部ほど大きくなる鋳鉄のことで、実際叩くと違う音がしました。上下で挟むことで棚板にとって最も良い制振バランスを実現できたとしています。

  2. 高さ調整機能付き鋳鉄製の脚部を採用

    TAOCの中級モデル以上に搭載されている「鋳鉄ローレットナット(周囲に縦目や綾目の溝があるナット)」を採用したことで、制振性能を維持したまま、床面との間でガタツキがある場合の高さ微調整が可能です。

    さらに、後述の上位機『 XL series 』に標準装備されている鋳鉄スパイク&プレート「SP-510」(別売)に交換することでグレードアップも可能です。

  3. 棚板が前作「MSR series」の2色から3色展開に

    従来の側面が垂直な棚板から、下部に向けて斜めに少し絞った(シェイプした)側面を採用し、デザイン的にスマートでナチュラルなものに改良されています。

    また、旧「MSR series」の棚板の色であるダークグレーメタリック(DG)とダークブラウンメタリック(DB)に加え、新色のライトパープル(明るい藤色)が追加され、お部屋に合わせて選択の幅が広がりました。

    そして縦型S Type(横幅60mm)が1段〜5段までの5種類、横2列の横型L Type(横幅1140mm)が1段と2段、さらに横3列のW Type(横幅1680mm)も1段と2段が、標準タイプとして各色、計27タイプ(9タイプ×3色)用意されています。

    さらに、基本セット(1段)に長さの違う支柱(100〜350mmの6種類)と棚板をセットした追加ユニット、18種類 各3色 計54ユニットの中から選択することで、お持ちのオーディオ機器に合わせてカスタマイズできます。

    S Typeの棚板とW Typeの棚板など、異なるサイズの追加ユニットを組み合わせて、使用状況に合わせたラックが組めたり、後日機器のサイズが変わった際の支柱の交換や移動しやすいキャスターも用意されており、万全の体制が組まれていて将来的にも安心です。

ここには、心憎いまでのメーカーとしての良心を感じます。TAOCは「売っておしまい」ではないのです。

■ XL seriesの「XL」とは、Excellent Life(卓越した生活)のこと

画像はXLシリーズ「XL-2S-WD」


  1. 棚板内部に「制振シート」を挟んだ新構造を採用

    棚板の内部に制振シートを内包させることで、効果的な制振が実現したとしています。振動エネルギーを熱に変換することで、TAOCの最上位クラスのラックの制振性に迫ったということです。

    棚板の下面中央付近に、ほんの僅か膨らみが感じられます。実際、棚板を叩くと鈍い音がしました。

    棚板のデザインは木目を基調に、曲線を生かしたエレガントなフォルムで、高級感を醸し出しています。

  2. 新制振機能「FCセパレートシステム」を採用

    前述の『 CL series 』同様、上部のスーパーハイカーボン鋳鉄と下部のグラデーション鋳鉄のスペーサーで棚板をサンドウィッチをすることで、棚板間の分離感を向上させ、制振性も高めています。

  3. 新設計の鋳鉄製のスパイク&プレートを採用

    この新設計の脚によって、本格的オーディオリスニングに最も重要な中低域の解像度や分解能を高め、ハイレゾなどの最新ソースで、益々重要度が増している高域のS/Nも大きく改善できたのです。

    スパイクは安定性と制振性を追求した鋳鉄の削り出しとし、プレートはグランドピアノのインシュレーターを思わせるデザインで、横移動の際のスパイクのプレートからのズレ落ちを防止するために、深受けの形状をとっており、ラックの移動も可能です。

  4. スタンダードとして2色あり、それぞれ7機種用意

    棚板カラーはダークウッド(WD)とライトウッド(WL)の2色で、サイズは1段から5段までの縦型「Sタイプ」5機種と、1段と2段の横型「Lタイプ」(2列/W)タイプが2機種用意されており、お持ちのオーディオシステムに応じてお選びいただけます。

    さらに、カスタマイズとして、基本セット(XL-1S、XL-1L)に追加ユニット(支柱高:100mm〜350mmの6種類、SタイプとLタイプ各2色、合計24機種用意)を足していくことで、ユーザーオリジナルのカスタムラックを作ることができます。

    スタンダードとカスタマイズラックでは、同じ段数の場合は同じ価格となります。

    また、Sサイズ・Wサイズの異なるサイズでの組み合わせも可能です。このあたりの価格設定や柔軟さからも、TAOCへの信頼性がさら高まります。

■ 最後に
TAOC『 CL series 』『 XL series 』は、新設計の高さ調整機能付きのハイカーボン鋳鉄製脚部、棚板と支柱の接合部に形状・素材の違う上下のスペーサーでサンドウィッチをすることで、棚板間の分離感を向上させ、飛躍的に音質、機能性をグレードアップさせたのです。

そして、オーディオルームに映える洗練されたデザインを纏い、サウンドとフォルムの両立という、オーディオラックの新しい時代を告げる、TAOCラック史上最大のフルモデルチェンジといえるでしょう。
(あさやん)
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