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[ 2019年 6月11日付 ]

 伝統と革新の融合! McIntosh "70周年記念" 真空管セパレートアンプ誕生!!

こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん" です。
今回は、McIntosh 70周年記念の真空管プリアンプ『 C70 』と、真空管パワーアンプ『 MC2152 』をピックアップいたします。


■ 始めに
McIntosh(マッキントッシュ)は、今から70年前の1949年、Frank H.McIntoshによって、米国ワシントンで創立されました。その後、ニューヨーク州に本拠を移し、現在に至っています。同社の製品には、恒久的な信頼性と安定性を、そのデザインには完全性と永続性を求めたのでした。

今回同社から、創業70周年を記念して、真空管プリアンプ『 C70 』と真空管パワーアンプ『 MC2152 』が発表されました。『 C70 』は伝統のデザインを踏襲し、あえてデジタル非対応とした完全なアナログアンプ構成です。一方の『 MC2152 』は、斬新なデザインと最新テクノロジーに果敢に挑戦した、マッキンファン待望の真空管パワーアンプです。

■ 真空管プリアンプ『 C70 』


往年のMcIntoshプリアンプのデザインを踏襲した、漆黒のフルグラスのフロントパネル、フロント両サイドのアルミのエンドキャップ、そしてグリーンに光るレタリング。見ているだけでうっとりさせられる、オリジナルティ溢れるデザインです。しかも、McIntoshのロゴの下には《 70th Anniversary 1949-2019 》の文字があしらわれています。

天板のガラス窓からは、ミニチュア管の12AT7×1本と12AX7A×5本のほのかな明かりが見え、操作はフロントパネルのシルバーの縁取りがされた、お馴染みのロータリーノブと5つのロッカースイッチで行います。過去の同社製品とは違い、LEDのインジケーターとなったことで、入力切り替えや音量レベルが非常に分かり易くなっています。

左上の大型ノブは入力切り替えで、バランス入力×2、アンバランス入力×3、そして、本格的なMM/MCの各入力が装備され、出力はバランス×2、アンバランス×2と充実しています。右上は、バランス調整も兼ねたボリュームノブです。

左下のノブは、BASS/TREBLEを2dBずつ調整可能なトーンコントロール、右下のノブはフォノ入力のインピーダンスとキャパシタンスの調整用です。そして、右端にはヘッドホンユーザーのために標準プラグのヘッドホン端子も用意されています。

中央下の5つのスイッチは、左からトーンコントロールのON/OFF、モノラル/ステレオ切替、ヘッドホンで前方定位を実現する独自の「HXD(クロスフィールドディレクタ)」のON/OFF、そして、出力1と2のそれぞれのON/OFF機能と万全です。

信号の流れは、セレクターで選択された入力信号は、電子制御された高精度アナログボリュームとトーンコントロール回路(OFFでバイパス)、そして1本の双三極管(12AX7A)の初段、そして1本の双三極管(12AT7)による出力アンプという、完全な真空管アナログアンプ構成です。ここまでで、真空管6本中2本が使われています。

ここからが本機のこだわりの部分で、MC/MMのフォノイコは各々独立しており、MCとMMにそれぞれ12AX7を2本ずつ計4本使われています。S/NはMM/MCとも75dBを確保しています。これは、最近の同社製品に見られる最短距離伝送、各回路のセパレート構造など、S/N重視の設計の賜と考えられます。

■ 真空管パワーアンプ『 MC2152 』


こちらはプリアンプと違い、同じKT88を搭載した往年の銘機「MC275」(現在はMC275VI)のシルバー鏡面ステンレスシャーシではなく、ボディは美しいビードブラスト・ブラックアルマイト・アルミニウム仕上げ。サイドパネルは艶消し仕上げのカーボンファイバー製と、高級感ある従来にない斬新なデザインに仕上がっています。

前面のスラントしたパネルには、レーザーカット加工されたMcIntoshのロゴがバックライトで浮かび上がるという凝ったもので、真空管は黒色のパウダーコート仕上げのステンレス・ワイヤーケージでカバーされています。

左右の2つのノブはクラシカルで、右側がパワースイッチ、左側が最前列のスモール真空管を下部から照らすLED照明の切り替え(ブルー、グリーン、消灯/真空管本来の琥珀色)のためのものです。プリアンプのイルミネーションとの相乗効果で、さらに雰囲気を高めることができます。この辺りの遊び心が実に嬉しいのです。

デザインは従来のMcIntoshとは違うものの、その中味は70年間に同社が蓄積してきた独自のノウハウや発明技術が遺憾なく注入されています。

創立と同じ1949年に発明された「ユニティー・カップルド・アウトプット・トランス技術(特許取得済み)」によって、スピーカーのインピーダンスが2、4、8Ωのいずれであっても、150Wのフルパワーをスピーカーに出力できます。

その「ユニティー・カップルド・アウトプット・トランス技術」は、シャーシ後部の3つのトランスの内の左右2台で、中央が電源トランスです。これらのトランスは押出成形ケースに収納されており、上面のガラストップには各トランスの結線図が描かれ、《 70th Anniversary Edition 》の文字がさり気なくレーザー刻印されています。

真空管構成は、入力段用のミニチュア管「12AX7A」が4本、ドライブ段用の「12AT7」が4本、傍熱出力管「KT88」が8本となっています。「KT88」は1ch当たり4本使用し、後部のアウトプット・トランスの1次側のホットとコールドに2本ずつ使ってトランスを駆動しています。

そして「Sentry Monitor™技術」により、常時出力電流を監視し、異常を検知した場合はLEDが即座に赤色になり、パワー・オフしてくれ、安心です。背面の入力はバランスとアンバランスの各1組、出力はスピーカーケーブルを確実に接続できる「Solid Cinch(特許取得済み)」スピーカー出力端子(バインディングポスト)を装備しています。

本機もプリアンプ同様、最近の同社製品に見られる入力から出力まで最短距離で増幅し、高いS/Nと低い歪み率を実現しています。再生音源の音質を重視した上で、真空管の音色をフルに発揮するためのMcIntoshならではの設計なのです。

■ 最後に
McIntosh "70周年記念" 真空管プリアンプ『 C70 』と真空管パワーアンプ『 MC2152 』には、オーディオ愛好家、特に私のようなオールドマニアにとっては、大いに購買意欲をそそられます。

両機での再生音は、伝統のMcIntoshサウンドをベースに、最新テクノロジーによる高品位サウンドも加味した新時代のサウンドとなっています。しかし、ストレスを全く感じさせない豊潤でしなやかなサウンドは、やはり真空管サウンドです。

プリアンプ『 C70 』の漆黒のガラスに浮かぶ夜景のようなイルミネーション、パワーアンプ『 MC2152 』の真空管の自然でほのかな明かりと、新機軸のミニチュア管へのLED照明。

こんなオーディオがあっていいと思うのは、私一人だけではないと思います。
(あさやん)


今回ご紹介した McIntosh "70周年記念" 真空管セパレートアンプ はこちら