◆国内入荷予定が遅れる場合もございます◆
その言葉で、そのスタイルで同世代の若者たちから圧倒的な共感を集める、オルタナティヴ・シンガー/ソングライター、grandson(グランドサン)。
その彼の最新作は自身の内面と精神に焦点を当てた詞的にも音楽的にも大胆な進化を遂げたアルバム『I LOVE YOU, I’M TRYING』。
インダストリアルからヒップホップ、インディー・パンクにダンス・ロックまで様々な要素が組み合わさった野心的な1作、それこそが彼の新たな声明だ。
アメリカ生まれ、カナダ育ち、現在はロサンゼルスを拠点に活躍するオルタナティヴ・シンガー/ソングライター、grandson(グランドサン)。
終わりなき不安や怖れ、悟りや頭に渦巻く疑問にさいなまれ、“人として正しいことをする”責任に押し潰れそうになっている自分自身を、音楽を通して表現する活動家でありアーティストである彼は、そのメッセージ性もあり同世代の若者たちから共感を集め、熱狂的なファンを次から次へと増やしている。
FUELED BY RAMENから2020年『DEATH OF AN OPTIMIST』をリリースした彼だが、約3年振りとなるニュー・アルバムを完成させた。
2020年の『DEATH OF AN OPTIMIST』。
”意味のある変革“を探求するgrandsonがたどり着いた鋭い眼識と断言的なソングライティングを、ダイナミックに表現した作品であった前作に対し、今回リリースとなる『I LOVE YOU, I’M TRYING』は、自身の内面に焦点を当てたアルバムになるという。
本作に収録されている12曲は、多分、grandsonにとって最もパーソナルで脆さを露わにした作品だろう。
アルバムからのリード・トラックとなるのは「Drones」。
スポークン・ワードから熱狂的なコーラスへと盛り上がっていくインダストリアル調ダンス・パンク・アンセムは暗い気持ちを吹っ飛ばすであろう1曲だ。
grandson曰くこの曲はToolやSystem Of The Downといったバンドでのオマージュであると同時に、ヒップホップや808に要素も取り入れたものだという。
その前にリリースした先行トラック「Eulogy」は打って変わってローファイな導入部からインダストリアルな要素が入り込み、聴くものに圧倒的カタルシスをもたらすオルタナ・ヒップ・ホップ・ナンバーとなっている。
『I LOVE YOU, I’M TRYING』は、物語をコントロールすることを放棄した、そんな諦念から生まれた作品である。
情緒不安定でありながらワイルドな想像力を持つ作り手であるgrandsonの精神を深く掘り下げた本作で、自身がソングライティングによって乗り越えようとしたさまざまな苦しみや困難を率直に描き出し、自身が思いもよらなかった形で自らの隠れたペルソナを剥いでいった。
その結果生まれたのが、この驚くべきほど野心的なアルバムだった。
40曲以上もの楽曲から12曲へと絞り込まれた『I LOVE YOU, I’M TRYING』でgrandsonは音楽的アクティビストから今日的なテーマで精神的な葛藤を鋭く描き出すアーティストへ、新たなペルソナを露わにするのだ。