バド・パウエル晩年の幸せなパリ時代の好演を記録した2枚のアルバムをカップリング!ファン待望の復刻。
[この時期の“バドの心を聴けば”至極の音楽が目の前に現れるだろう]瀧口譲司
パリ最後の時期の演奏が収録された二つの作品だ。
『ホットハウス』は“唸り声”容認派にとってはこの上ない快感を感じる演奏であり、
“反唸り声”派にとっては“耳の痛い“アルバムということになる。
しかし、いずれにしても近年Youtubeで簡単に耳に出来る”クラブ・モンマルトル“でのライヴ演奏を思い浮かべれば、
この日のバドがいかに好調であったかは感じ取れるに違いない。
特にトリッキーでもないフレーズの中に込められたバドの情念が見事に結実しているのが聴きとれるだろう。
一方の『ブッファマン』はトリオでの演奏ばかりを集めた一枚の編集となっており、
あくまでもバドのトリオが好きだとおっしゃる方にはこちらが気になるだろう。
演奏は冒頭のバド・パウエルらしいメロディで始まり、メランコリックな“Like Someone In Love”が、
バドの心の安定感を伝えてくる。暖かい感情が伝わる演奏だ。
インリズムになってからのハーモニーも深く、そして、ソロフレーズもある意味で破たんがないくらい静かに推移する。
煌めきと狂気を放った時代と比べるのではなく、この時期の“バドの心を聴けば”至極の音楽が目の前に現れるだろう。
【DISC 1メンバー】
バド・パウエル(p)
ミシェル・ゴードリー(b, 1-10)
ガイ・ハヤット(b, 9-11)
アーサー・テイラー(ds, 1-8)
ジャック・ジャーヴェイス(ds, 9-11)
【DISC 2メンバー】
バド・パウエル(p)
ジョニー・グリフィン(ts)
ガイ・ハヤット(b)
ジャック・ジェルベ(ds)
1959年から5年間をパリで過ごしたバド・パウエルの幸せなパリ時代最後期の演奏が収録された2作品。トリオでの演奏が収められている「ブルース・フォー・ブッフェモン」、そしてパウエル晩年の代表作として又ジョニー・グリフィンの参加によって多くのファンから支持されてきた「ホット・ハウス」を収録。 (C)RS