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2008年のメシアン生誕100年のメモリアルイヤーに「児玉桃メシアンプロジェクト」と題して、5回の演奏会でメシアンの主要曲を演奏するという意欲的な企画で話題となった児玉桃ですが、その集大成として望んだのが当アルバムです。
それらの演奏会は演奏内容、企画ともに大きく評価され、「芸術選奨文部科学大臣新人賞」「中島健蔵音楽賞」を受賞。このメシアン・イヤーは児玉桃のためにあったともいえる年になりました。
レコード芸術誌でも特選盤になるなど名盤の仲間入りとなっている、前アルバム「幼児イエスにそそぐ20のまなざし」の第2弾「鳥のカタログ」です。児玉桃のメシアン演奏は、真摯にメシアンの持つ世界観に向き合い、児玉桃の日本人離れした美しいタッチと音色で描いてゆきます。要求される難易度の高いテクニックもしなやかに奏でてゆき、ただテクニックのみで片付けられがちのこれらの曲を、高次元な世界で演奏され、これぞ初演者のイヴォンヌ・ロリオも認める理由がわかります。
メシアンは鳥類学者としても知られ、鳥の歌声を採集していました。日本においても軽井沢などでも採集されています。その結果生まれた超大曲が「鳥のカタログ」です。13匹の鳥がタイトルについていますが、全部で70種以上の鳥の歌声がこれらの曲には収められています。一般的には難しい曲に捉えられていますが、メシアンの鳥に対する愛情と自然への慈愛を感じとることができます。「まなざし」が神への祈りの曲だとすれば、この「カタログ」は自然(鳥)の驚異を表しています。
児玉桃による「カタログ」は「まなざし」と共にメシアンを次代に伝える代表的なアルバムとなるでしょう。またメシアンがこの曲に寄せる文章の日本語訳を掲載。資料的にも大変価値のあるアルバムです。
録音:2009年2月24-26日、4月16-18日
茨城・小美玉市四季文化館みのーれにて収録