デビュー作『青春の殺人者』で「キネマ旬報」ベストワンなど各映画賞を総ナメにした鬼才・長谷川和彦監督が放った、今やカルトとまでなった伝説の巨編。平凡な一教師が原爆を作り上げるという卓抜した発想を、鋭い風刺とパワフルな演出で映像化。実際のデパートを使って撮影された群衆のパニック・シーンや、10数台のパトカーと公道でのカーチェイスなど、日本映画離れしたスケールの本作は、映画ファンから絶大な支持を得、世紀が変わった現在に至るまで、そのカリスマ性はいささかも衰えていないばかりか、むしろその評価は上がっているといえる。
主演は、初の本格的演技で高い評価を得た沢田研二と、圧倒的な存在感を示す菅原文太。原案・共同脚本は、高倉 健主演のアメリカ映画『ザ・ヤクザ』のレナード・シュレイダー、音楽に『前略おふくろ様』『青春の蹉跌』の井上堯之、製作に『ベルサイユのバラ』『バンパイアハンターD』などの国際的プロデューサー山本又一朗を迎え、1970年代掉尾を華々しく飾る金字塔として語り継がれている。
─ ストーリー ─
中学校の物理教師、城戸誠は東海村の原子力発電所からプルトニウムを強奪した。
アパートの自室を実験室に仕立て上げ、TVのプロ野球中継を見ながら原爆を製造、完成させる。
強力な“武器”を手に入れた彼は、まず野球中継を最後まで見せろと政府を脅迫して成功する。
続いてラジオ番組を通じてローリングストーンズの武道館公演の実現を迫るも、失敗に終わった。
しかし脅迫内容はさらにエスカレートし、現金5億円を要求する。
国家を敵にまわしての孤独な戦いをはじめるのだが・・・。
バスジャック、原発襲撃、カー・チェイス、警察の手に渡った原爆を奪回する場面など、息もつかせぬ見せ場が次々と展開。
荒唐無稽で毒のある、壮大な娯楽アクション映画。沢田研二がニヒリスティックな青年を好演。
─ キャスト ─
沢田研二/菅原文太/池上季実子
北村和夫/神山 繁/佐藤 慶
伊藤雄之助
風間杜夫/小松方正/西田敏行/水谷 豊
制作年: | 1979 |
制作国: | 日本 |
ディスクタイプ: | 片面2層 |
色彩: | カラー |
映像サイズ: | ビスタ |
映像特典: | オリジナル劇場予告編 |
音声仕様: | モノラル(ドルビーデジタル、日本語、英語字幕) |
| 5.1chサラウンド(ドルビーデジタル) |