アイルランドの英雄フィル・ライノットが、シン・リジィの解散から亡くなるまでの間に率いていたバンド、グランド・スラム。これは84年10月12日に英国ノーフォークのグレートヤーマスで行われた、メタル系雑誌のケラング!主催によるKerrang! Wooargh Weekender 1984に出演したときの録音を、BBCが放送用に録音したものだ。ライノットのソロ作品からの曲や、シン・リジィの曲はもちろん、盟友ゲイリー・ムーアの「パリの散歩道」(ライノットが作詞)、グランド・スラムでの新曲、ムーアのアルバムで発表される曲、後にシン・リジィの未発表曲として世に出る曲など、実はこの時代の曲は非常に充実している。新しい時代に対応した、バンドの未来を期待させるに十分な内容であり、メンバーの演奏の技量も含め聴きどころは多い。バンドが短期間で終わってしまったことが惜しまれる、まさに幻のバンドの音源だ。 (C)RS