名盤カラスの「カルメン」を指揮したプレートルとバンベルク響の邂逅が生んだ独自のビゼーの世界。
2008年と2010年のウィーン・フィルのニューイヤーコンサートに登場し、その精力的な指揮が話題になったフランスの巨匠ジョルジュ・プレートル。1960年代からEMIレーベルを中心に、オペラ全曲盤もふくむ数多くの録音を残してきたプレートルだが、当2枚組は、1985年と1986年に録音されたバンベルク響とのビゼーの管弦楽曲集を一つのパッケージに集成したもので、プレートルのディスコグラフィの中でもレア音源に属する逸品。バンベルク響が、ヨッフムやシュタインの指揮でモーツァルトやシューベルトの名盤を立て続けに録音していたのとほぼ同時期の録音で、この極めてドイツ的な名門オーケストラの奥深くしっとりとした音色とプレートルの熱狂的な解釈が独自の形で融合を果たした快演である。
録音年:1986年1月2日から5日、1985年3月20日から23日/収録場所:バンベルク