たび重なる指の故障を乗り越え、今や世界中が認める巨匠ピアニストとなったマレイ・ペライア。近年はバッハやベートーヴェンといった古典を追求しつつあるこのマエストロが、バッハ、ベートーヴェンとならんで「ドイツ三大B」の一人として知られるブラームスの作品を録音しました。
「ヘンデル変奏曲」は、ブラームス28歳の時の作品で、バッハの「ゴールドベルク変奏曲」、ベートーヴェンの「ディアベリ変奏曲」、シューマンの「交響的練習曲」と並び称される、音楽史上の変奏曲の歴史を飾る名曲です。続く作品79を挟み、最近は坂本龍一がグールドの同曲の演奏を絶賛して知られるようになった晩年の小品である作品118と119という、滋味あふれる名作ばかりを、ぺライアならではの深遠な演奏で聴かせてくれる珠玉の1枚です。