オランダの名フォルテピアノ奏者、ジョズ・ファ・インマゼールのフォルテピアノによって、1995年から1997年にかけてドイツで録音されたベートーヴェンのピアノ協奏曲全集。
マルコム・ビルソン、スティーヴン・ルービンなど、フォルテピアノ奏者による全集録音の中でも、自由闊達さでは最右翼の存在である。初期の第1番と第2番ではインマゼール自身の即興によるカデンツァも聴きもの。
インマゼールは2008年には手兵アニマ・エテルナを指揮して交響曲全曲録音を成し遂げ、フォルテピアノ奏者としては長年にわたってピアノ・ソナタ集、チェロ・ソナタ全曲、ピアノ三重奏曲集などを録音し、古典派を完成に導きロマン派の扉を開いたベートーヴェンの伝統と革新性を強く表出する演奏解釈は高く評価されている。
ヴェラ・ベスの小気味よいヴァイオリンが聴けるヴァイオリン協奏曲をカップリング。全曲にわたってブルーノ・ヴァイル率いるカナダのオリジナル楽器アンサンブル、ターフェルムジークがサポート。