20世紀のオーケストラ美学の粋を結晶させた入魂の全集、ついに執念の全曲CD化が実現。
ユージン・オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団は、カラヤン/ベルリン・フィルと並び、20世紀オーケストラ美学を極めつくした存在だった。1961年の第2番から1966年の第5番まで7年をかけて録音され、オーマンディのフィラデルフィア管在任30年を記念して、1968年にセット化されたこの「ベートーヴェン:交響曲全集」もその特徴を最大限に刻印した演奏で、厚みのある強靭な弦楽合奏を土台にして、名技を誇る木管・金管奏者を配して、豊麗極まりない響きを作り出している。このコンビ唯一のベートーヴェン全集で、第1番・第2番・第4番は世界初CD化。日本で全集として発売されるのもLP時代以来ほぼ40年ぶりのことである。