クラシック音楽の中でも一、二を争うポピュラリティを持つ「未完成」交響曲(第7番)と、カップリングには、シューベルトがヴァイオリンとオーケストラのために書いた佳曲3曲。ピリオド演奏のスタイルを消化しつくしたジンマンとチューリヒ・トーンハレならではの緻密な音作りで、ロマン派の深淵を覗かせる「未完成」と、初期ロマン派の可憐なヴァイオリン作品集の魅力を際立たせている。
・2013年春まで2年がかりでジンマンが手がける「シューベルト:交響曲全集」(全CD5枚)。ジンマンにとってシューベルトは、ヴァイオリニストだったころから愛してやまない作曲家。「ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ」はジンマンが最初のソロ・リサイタルで取り上げた作品であり、「未完成」交響曲は生涯最初に買ったオーケストラ・スコアだったほどで、今回のレコーディング・プロジェクトは、ジンマンにとって待ち望んだ夢の実現でもある。