巨匠セルとクリーヴランド管弦楽団が到達した20世紀オーケストラ演奏の極点。
ジョージ・セルとクリーヴランド管弦楽団が文字通り絶頂期にあった1960年代に3年がかりで録音されたブラームスの交響曲全集が、1988年以来久しぶりに復活。セルならではの厳格で折り目正しい音楽観を反映し、全編にわたって主観的感情がむき出しにならず、格調の高さが保たれ、ブラームスの古典性を浮き彫りにしている。しかも細部の彫琢ぶりはすさまじく、あらゆるフレーズリズム、パート間のバランスが完璧に統御され、透明感のある響きと立体的な構築性を獲得しているさまはまさに壮観。今や二度と再現することのできない20世紀オーケストラ演奏芸術の一つの極点がここにある。
[録音]1966年10月7日(1)、1964年10月24日(2)、1967年1月6日(4)、1964年10月16
日&17日(5)、1966年4月8日&9日(6)、1966年10月28日(7、8)、クリーヴランド、
セヴェランス・ホール ADD/STEREO