北欧のシンフォニストの真髄を明らかにする巨匠ベルグルンド最高の音楽的遺産。
デンマークの国民的作曲家ニールセンが生涯にわたって書きつづった6曲の交響曲は、それぞれが独自の風貌と極めて個性的な響きを備え、シベリウスのそれと並び北欧が生んだ稀有なオーケストラ作品として20世紀音楽の中で重要な位置を占める。惜しくも昨年亡くなったフィンランドの巨匠ベルグルンドが、ニールセンとゆかりの深いデンマーク国立管を指揮して1987年から1989年にかけて録音したこの全集は、鋭いリズム捌き、クールなリリシズムの表現、そしてシンフォニックな構成感を生かした男性的なダイナミズムが聴きもの。3度にわたってシベリウス全集を残したベルグルンドにとっては、意外なことに唯一のニールセン全集で、その意味でも貴重な遺産の復活である。
[録音]1987年6月3日〜5日(DISC1)、1988年8月15日〜18日(DISC2)、1989年17日〜19
日(DISC3)、コペンハーゲン、オッド・フェロウ・ホール
DDD/STEREO