巨匠ゼルキンがその最盛期にオーマンディ+フィラデルフィアと共演したブラームスとシューマン。
ルドルフ・ゼルキンによるブラームスのピアノ協奏曲の録音といえば、1960年代後半にセル/クリーヴランド管と収録されたステレオ盤が知られているが、それよりも前のステレオ初期に録音されたこのオーマンディ/フィラデルフィア管との共演盤は、心技体ともに完璧で脂の乗り切った境地にあったゼルキンの凄さをはっきりと刻印している。
朴訥ながらも力感あふれ、しかも作品の核に肉薄しようとする気迫が、聴き手に圧倒的な印象を与える。その2曲のブラームスの名演に、シューマンによるピアノとオーケストラによる共演作3曲をカップリングした超お買い得盤。
[録音]1961年4月9日(1)、1964年3月17日(2、4)、1960年4月4日(3)、1964年3月16日(5)、フィラデルフィア、タウン・ホール