若きシューベルト渾身の交響楽を圧倒的な鮮度で再現。ジンマンが取り組むシューベルト交響曲全集、第4弾。
ティンパニを含まない編成で書かれ、軽やかで優美な作風を持つ第5番と、当時のウィーンを席巻していたロッシーニをはじめとするイタリア音楽の影響を受けた第6番。モダン・オーケストラでありながら作品の時代に合わせて演奏スタイルを自在に変化させることのできるジンマンとチューリヒ・トーンハレは、細かなアーティキュレーションを適用した弦楽器、古式のトランペットホルン、ティンパニなど、ピリオド演奏の方法論を大胆に持ち込んでいます。さらに管楽器には即興的な装飾音を演奏させている点も要注目です。こうした解釈によって、若きシューベルトが渾身の力を込めて描き上げた、対照的な作風を見せるこの2曲から、これまでに聴いたことのないほど新鮮なサウンドを引き出しています。いずれもジンマンにとって初録音です。
録音年:2012年/収録場所:チューリヒ、トーンハレ