巨匠セル&クリーヴランド管による最大の遺産。渾身のシューマン録音・日本初の全集化。
1958年から1960年にかけて収録されたセルによるシューマンの交響曲全集は、同時期に録音されたコンヴィチュニー/ゲヴァントハウス管盤やクーベリック/ベルリン・フィル盤と並び称されたアナログ時代の名盤である。シューマンの管弦楽法に積極的な改訂を施すことで、各パートが見事なバランス感を持って浮き彫りにされ、全体の響きに埋没しがちな重要な声部に光が当てられている。クリーヴランド管を格調高く統御し、透明感のある響きと立体的な構築性を獲得しているさまはまさに壮観。20世紀後半にオーケストラ芸術の頂点を極めた演奏の最高の実例の一つといえるだろう。
★LP発売時のジャケット・デザイン使用
録音年:1958年10月24&25日、1960年3月12日、10月21日、1959年1月21日他/収録場所:クリーヴランド、セヴェランス・ホール