セルが描き出す、オーケストレーションのリアリズムを極めたマーラー解釈。
セルがクリーヴランド時代に取り上げたマーラーの交響曲のうち、1965年録音の第4番と1967年に録音された第6番「悲劇的」を収録。第4番はセルが生前最も数多く指揮したマーラーの交響曲。この録音もアナログ時代からこの曲の代表盤とされてきたもので、透徹した響きで作品の不気味さを炙り出している。第6番はセルの没後に発売されたもので、クリーヴランド管弦楽団と初めてこの交響曲を取り上げた演奏会でのライヴ録音からレコード化されたという意味でも貴重な記録。第1楽章の提示部は繰り返さないものの、遅めのテンポで作品の「重さ」を壮絶に描き切った名演である。
LP発売時のジャケット・デザイン使用
歌詞対訳付/録音年:1965年10月1日&2日、1967年10月/収録場所:クリーヴランド、セヴェランス・ホール