バーンスタインならではの熱狂と興奮が渦巻くレスピーギ。
バーンスタン唯一のレスピーギはニューヨーク・フィル音楽監督時代最後期と退任後に録音された知られざる名盤(「噴水」は未録音)。作品に横溢する熱いドラマをそのまま音と化してゆくバーンスタインのドラマティックな解釈を、ニューヨーク・フィルが豪壮華麗に再現する。カップリングのオネゲルは1962年のセッション録音で、作曲者の意図に沿って抽象的な音のエネルギーの運動を緻密に上げきあげた「ラグビー」「パシフィック231」、極めて美しい「夏の牧歌」と、いずれもオーケストラ・ビルダーとしてのバーンスタインの見事な手腕を刻印している。いずれもバーンスタインにとって唯一の録音となったという点でも貴重なアルバムである。
ニューヨーク・フィルハーモニック
指揮:レナード・バーンスタイン
【録音年、収録場所】1970年2月17日(1)、1968年3月19日(2)、1962年10月31日(3-5)、ニューヨーク、フィルハーモニック・ホール(現エイヴェリー・フィッシャー・ホール)