アメリカのマーラー演奏史に貴重な貢献を残したオーマンディならではの名演。
オーマンディとフィラデフィア管がソニークラシカルに残したマーラー録音を集成した2枚組。1966年の「大地の歌」は、メトで活躍したアメリカの名花リリ・チューカシアン、ライナー/シカゴとも同曲を録音したウェールズのテノール、リチャード・ルイスを独唱に迎えている。前年に録音された第10番はクックによる演奏用ヴァージョンの世界初録音で、いずれも過度の思い入れを排しつつマーラーの管弦楽法の妙を音楽的に表出している点が何よりも大きな特徴。「一千人の交響曲」のアメリカ初演を果たすなど、20世紀のアメリカのマーラー演奏史に少なからぬ貢献をしてきたフィラデルフィア管のマーラー録音としても貴重な2曲。
リリ・チューカシアン(メッゾ・ソプラノ)、リチャード・ルイス(テノール)
フィラデルフィア管弦楽団
指揮:ユージン・オーマンディ
【録音年、収録場所】
1966年2月9日(1)、1965年11月17日(2)、フィラデルフィア、タウン・ホール