ケント・ナガノと彼が音楽監督を務めるカナダのモントリオール交響楽団による「ベートーヴェン:交響曲全集」プロジェクトの5作目は、「舞踏の聖化」として知られる名曲交響曲第7番と出世作第1番のカップリング。2014年10月の6年ぶりの来日公演を前にした来日記念盤です。
これまでの4作同様、固いバチによるティンパニや、対向配置でヴィブラートを控えめにした弦楽パートなど、オリジナル楽器演奏のメソードを取り入れ、速めのテンポで緊張感の高い演奏を実現。第7番で徹底的にこだわりぬく強靭なリズム、殊に第4楽章の迫力ある高揚感は圧倒的です。第1番ではクリアでフレッシュな解釈が作品に相応しい躍動感を与えています。モントリオール響の持ち味である木管の色彩感も見事で、作品に新鮮な響きをもたらしています。200年前に書かれたベートーヴェンの音楽が21世紀に持つ意味合いを強く意識した、こだわりのケントらしいコンセプトで制作されています。
モントリオール交響楽団
指揮:ケント・ナガノ
【録音年、収録場所】
2013年3月20日&21日、モントリオール、メゾン・サンフォニーク・ド・モントリオールでのライヴ・レコーディング