クラシック音楽の普及に生涯をかけた名指揮者フィードラー畢生の名演にしてボストン響唯一の“新世界”。1930年から約半世紀にわたってボストン・ポップス・オーケストラを率い、クラシック音楽の素晴らしさを世界に発信し続けたアメリカの巨匠指揮者アーサー・フィードラー(1894−1979)。フィードラーがボストン・ポップスと録音したアルバムは多数にのぼるが、ボストン交響楽団名義で録音した盤はドヴォルザーク「新世界より」と序曲「謝肉祭」のみであり、1970年録音のこの2曲が、フィードラーにとってDGに移籍する前のRCAへのほぼ最後の録音となった。作品のあらゆる細部を知りつくしたフィードラーが気心知れたオーケストラを自在にドライヴし、あらゆる聴き手満足させることのできる普遍的な説得力を備えたスタンダードな演奏といえるだろう。 (C)RS