Blu-spec CD2
『オーケストラル・アドヴェンチャー』と題されたこの「ニーベルングの指環」は、オランダ放送フィルの打楽器奏者ヘンク・デ・フリーヘルが重要な音楽やライトモティーフを抜き出して約1時間強のオーケストラ曲にまとめたもので、1992年に初演されて以来、この長大な楽劇のエッセンスを見事に取りだした編曲として世界各地で取り上げられている。音楽を社会的・文化的連鎖の中で捉えることが得意なクリスチャン・ヤルヴィによれば、北欧伝説を起源とするワーグナーの「指環」もバルト海文化圏と深い関わりを持つ音楽です。冒頭の「ラインの黄金」の前奏曲の動機の繰り返しにも広義のミニマル・ミュージックの萌芽を聴きとるクリスチャンならではの、全く新しい観点から解釈しなおされたドラマティックなワーグナー・サウンドが聴きもの。 (C)RS