Blu-spec CD2
カナダ出身の天才ピアニスト、グレン・グールドは、バッハの「ゴールドベルク変奏曲」でその名を知られますが、その生涯を通じてリヒャルト・シュトラウスの音楽にも魅了されていました。イギリス出身の名優クロード・レインズを朗読に迎えて、1961年10月に録音された『イノック・アーデン』は、グールド15枚目のアルバムとしてリリースされ、希少なレパートリーとして愛聴されてました。そして今回、日本語版の朗読を担当するのは、テレビ朝日「題名のない音楽会」の司会でもおなじみの石丸幹二です。2009年、彼が17年ににわたり活躍した劇団四季を退団して初めて取り組んだ作品がこの『イノック・アーデン』でした。長年築き上げてきた歌と芝居の優れたキャリアをもって、魂の叫びとも言える作品の語り――胸がはりさけんばかりの切なさ――を聞かせ、高い評価を得ました。SONYが開発した新しいテクノロジー「AI Sound Separation」を駆使し、3チャンネルのオリジナル・マスター・テープからグールドのピアノ演奏部分だけを分離、石丸幹二の朗読を重ね合わせた、まさしく時を超えたコラボレーションがここに完成しました。 (C)RS