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ブルーノ・ワルター(1876-1962)が最晩年の1957年〜61年にかけて残したステレオ録音は、この20世紀最大の巨匠指揮者による膨大なディスコグラフィの中でも最重要の演奏であり、その長い音楽活動のさまざまな経験と深い洞察とが結実した、文字通り録音の「世界遺産」ともいうべき名盤ぞろい。これらは特別に組織されたコロンビア交響楽団との緻密なリハーサルとセッションを積み重ね、音響効果の優れたアメリカン・リージョン・ホールで最新鋭の機材・技術で収録されたステレオ初期の名録音でもあります。それらを1998年以来21年ぶりに新規リミックス&リマスターし、2020年度第58回「レコード・アカデミー賞」特別部門・特別賞を受賞した『ブルーノ・ワルター全ステレオ録音SA-CDハイブリッド・エディション』(全7巻・2019〜20年発売)からの分売となる1枚です。ワルターがステレオ録音で残した唯一のハイドンの交響曲。「軍隊」は、有名なウィーン・フィルとのSP録音とは異なる翳りの濃い響きと堅固なアプローチで成功をおさめ、初録音となった「V字」では遅めのテンポから生み出される純音楽的な解釈が聴きものです。 (C)RS