豊かな音楽性を実現するためのアンサンブル能力の徹底的な向上──。セルとクリーヴランド管弦楽団が目指した高邁な哲学が最高度に発揮されるバルトークの「管弦楽のための協奏曲」。今なお色あせない独特の色彩感が魅力的な録音です。また、2009年に社会的大ベストセラーとなった小説でもこの演奏が取り上げられ、人気が急上昇したヤナーチェクの「シンフォニエッタ」も、きわめて説得力の高い迫真の演奏が展開されています。セルが祖国ハンガリーはじめ東欧の作曲家の作品にも深い共感をもって取り組んでいたことが分かります。 (C)RS