Blu-spec CD2
1960年代から70年代にかけて、米CBSは12音音楽の創始者アルノルト・シェーンベルクの画期的な全集を制作したが、そのなかでもピアニストとしてのグレン・グールドの存在はとても重要なものだった。このアルバムは、そうしたグールドによるシェーンベルクの諸作品のうち、声楽を伴う歌曲を網羅したアルバムである。シェーンベルクの新しい音楽芸術の様式を形成するファクターとしての言語の介在は非常に重要である。つまり、シェーンベルクの他の作品を甦解する上で声楽作品は欠かせないものなのだ。ここでは3人の歌手を中心としつつ、それらの異なる個性に見事にアンサンブルしてみせるグールドの素晴らしい感性を聞き取ることができるセットが本作だ。 (C)RS