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1985年、指揮者としてのデビュー演奏会で交響曲第1番を取り上げて以来、30年以上にわたり、シベリウスの7曲の交響曲はパーヴォ・ヤルヴィにとって最重要のレパートリー。しかし録音に関しては非常に慎重で、ようやくフランスの名門・パリ管弦楽団の音楽監督に就任後、全曲録音を実現。「私はシベリウスの演奏伝統など信じない。パリ管にはそうした伝統がないからこそ、作品をありのままに捉えその深奥に偏見なく迫れる」と自ら熱く語るように、パリ管はシベリウスの独創的かつ個性的な音楽語法を見事に咀嚼し、持ち前の豊麗かつ深みのある美しいサウンドで、新たな作品像を描き出しています。2010〜16年のパーヴォのパリ管音楽監督時代の最大・最重要の遺産といえましょう。なお2015年、ヤルヴィはパリ管とのシベリウス演奏の功績を高く評価され、シベリウス・メダルを受賞しています。シベリウスの7曲の交響曲の中でも最もポピュラーな2曲をカップリング。両曲ともシベリウス独自の音楽語法が確立しており、ヤルヴィとパリ管はその個性的な筆致の面白さを余すところなく描き出しています。 (C)RS