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フェドロヴァが歌い上げる、困難な時代だからこそのラフマニノフ
ウクライナのキーウ(キエフ)出身、2009年のルービンシュタイン国際ピアノ・コンクールでの優勝を始め、オランダを中心に世界的に活躍するアンナ・フェドロヴァによるラフマニノフの協奏曲第2番、第4番が登場。第1番と「パガニーニ狂詩曲」を収録した第1弾(CCS42620)に続く、ラフマニノフのピアノ協奏曲全集第2弾です。
フェドロヴァが弾く第2番は、2013年のアムステルダム・コンセルトヘボウでのライヴ映像がYou Tubeで再生回数3500万回近くに及んでおり、CDとしては2014年(PIANO CLASSICS)以来の再録音となります。
交響曲第1番の酷評から精神的危機に陥ったラフマニノフが、大きな成功を得て立ち直るきっかけとなったピアノ協奏曲第2番。ここではややゆったりとしたテンポの中、表情をダイナミックに付けていくフェドロヴァのピアノと、大きくうねるオーケストラとの絡みが作品の魅力を十二分に引き出しています。
ラフマニノフが1917年に祖国ロシアを離れて9年後に完成させ、その後さらに2回の大きな改訂が行われた第4番は、スクリャービンなどの影響も指摘されるやや複雑な作品。
ここでも、力強さと繊細さを併せ持つフェドロヴァのテクニックと表現力が生きています。フェドロヴァによると、第4番は「時代の大きな変わり目、過去との別れと恐ろしい未来への突入」、第2番は「不死鳥のような生まれ変わりと精神の復活、希望と光、それこそが今この時に必要なこと」という解釈から第4番、第2番という収録順にしたとのことで、彼女の今の思いが強く入った、聴く者の心を揺さぶるアルバムとなりました。
国内仕様盤日本語解説…片桐卓也
ナクソス・ジャパン
【演奏】
アンナ・フェドロヴァ(ピアノ)
ザンクト・ガレン交響楽団
モデスタス・ピトレナス(指揮)
【録音】
2021年11月 トーンハレ・シアター、ザンクト・ガレン、スイス
収録情報
セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943):
1-3. ピアノ協奏曲 第4番 ト短調 Op. 40
4-6. ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op. 18
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