★この商品(HybridCD)の再生にはSACD再生に対応している機器があればSACD音源を聴くことができます
また、通常のCD再生機器(一部のDVD再生機器を除く)では通常CD音源を聴くことができます★
バルトークの独創性豊かな傑作の多様な魅力を表現した名演・名録音。
■ESOTERICならではのこだわりのSuper Audio CDハイブリッド・ソフト
マスターサウンドへの飽くことなきこだわりと、 Super Audio CDハイブリッド化による圧倒的な音質向上で
継続して高い評価をいただいているESOTERICによる名盤復刻シリーズ。
発売以来LP時代を通じて決定的名盤と評価され、CD時代になった現代にいたるまで、
カタログから消えたことのない名盤を貴重なマスターから進化したテクノロジーと感性とによって
DSDマスタリングし、世界初のSuper Audio CDハイブリッド化を実現してきました。
■ショルティとバルトークとの縁
ゲオルグ・ショルティ(1912−1997)とシカゴ交響楽団は、
カラヤン=ベルリン・フィルやオーマンディ=フィラデルフィア管と並び、
20世紀後半のオーケストラ演奏の極点を極めた存在でした。
録音面でもデッカに数多くの歴史的名盤を残したこのコンビによる演奏が、
当シリーズに登場するのは今回が初めてとなります。
ショルティは録音経歴の早い時期にすでにモノラルで舞踏組曲と「弦・チェレ」をロンドン響と録音し、
1960年代半ばには舞踏組曲の再録音と「管弦楽のための協奏曲」をステレオで録音し、
長らくアナログ時代の定番として聴き継がれていました。
そしてCD時代の黎明期に「管弦楽のための協奏曲」と舞踏組曲を
新しいテクノロジーで改めて録音し(このアルバムは1981年のレコード・アカデミー賞を受賞)、
さらに1989年には「弦・チェレ」を含むもう1枚のバルトーク・アルバムを録音しています。
当アルバムはこの最後の2枚から3曲を1枚に収録しています。
■作曲者の指示を厳格に順守する姿勢を貫く演奏解釈
楽譜に書かれたことを厳格に順守することを旨としていたショルティは、これらの作品の演奏や録音に当たっても、
バルトークが記したメトロノーム表記や表情の指示に忠実に従っていますが、
自筆譜を参照する過程で「管弦楽のための協奏曲」第2楽章の印刷譜にあったメトロノーム指示の矛盾を指摘したほか、
楽譜に指示されている「アレグレット・スケルツァンド」よりもより速い「アレグロ・スケルツァンド」であるべき、という
確信を持つようになりました(1944年世界初演時のプログラム冊子には「アレグロ」と印刷)。
またこの楽章の「対の遊び Giucco delle coppie」という楽章名も
むしろバルトークが自筆譜に記した「対の提示 Presentato la coppie 」の方が
より音楽のイメージを体現していると主張するなど、バルトーク演奏解釈の本質を鋭く捉えた指揮者でした。
オーケストラの全てのパートの動きを完璧に掌握し、一音一音にあるべき表現を与え、
音楽が放つエネルギーをさらに倍化させて聴き手に届ける姿勢はショルティの音楽作りの根本ですが、
それによってバルトークの音楽も極めてヴォルテージの高い緊張感に満ちた様相を呈し、
作品の持つ個性がより強烈に浮かび上がってきます。
そして、伝説のハーセス率いるトランペット・セクション、クレヴェンジャー率いるホルン・セクションに代表される
強靭な金管・木管パートのほか、弦楽パートの最後列の一人に至るまで名人を揃えたかのような
ヴィルトゥオーゾ集団であるシカゴ交響楽団も、そのショルティの解釈をそのまま実際の音として体現しています。
■本拠地オーケストラ・ホール録音への復帰第1弾
マルチマイクによって細部を明晰に拾い、豪壮な迫力を感じさせる
緻密に作りこまれた音作りは、単なるコンサートの追体験としてではなく、
独自の再現芸術としてのレコーディングの在り様を再定義し、その価値を高めることに貢献したのです。
録音会場はシカゴ響の本拠地でもあった1904年建立のオーケストラ・ホール。
「管弦楽のための協奏曲」と舞踏組曲は、DECCA としてはオーケストラ全体の響きの空間性を重視した
ミキシングがなされており、その中で木管・金管のソロや弦楽パートの細かな動きが拾い出されています。
8年後の「弦楽器・打楽器・チェレスタのための音楽」では、よりオーケストラに近接した音作りで、
左右二手に分けられた弦楽パート、中央に配置されたピアノや打楽器のパートが丁寧に収録されています。
デジタル初期の名録音として知られていたため、今回が初発売以来初めての本格的なリマスターとなります。
今回のSuper Audio CDハイブリッド化に当たっては、これまで同様、使用するマスターの選定から、
最終的なDSDマスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業をおこないました。
特にDSDマスタリングにあたっては、新たに構築した「Esoteric Mastering」を使用。
入念に調整されたESOTERICの最高級機材Master Sound Discrete DACとMaster Sound Discrete Clockを投入。
またMEXCELケーブルを惜しげもなく使用することで、
オリジナル・マスターの持つ情報を伸びやかなサウンドでディスク化することができました。
【演奏】
シカゴ交響楽団
指揮:サー・ゲオルグ・ショルティ
【録音】
1981年1月19日&20日(管弦楽のための協奏曲・舞踏組曲)、
1989年5月14日&11月14日(弦楽器・打楽器・チェレスのための音楽)、シカゴ、オーケストラ・ホール
【オリジナル・レコーディング】
[プロデューサー]
ジェームズ・マリンソン(管弦楽のための協奏曲・舞踏組曲)
マイケル・ハース(弦楽器・打楽器・チェレスのための音楽)
[バランス・エンジニア]
ジェームズ・ロック(管弦楽のための協奏曲・舞踏組曲)
スタンリー・グッドール(弦楽器・打楽器・チェレスのための音楽)
[Super Audio CD プロデューサー]大間知基彰(エソテリック株式会社)
[Super Audio CD リマスタリング・エンジニア]東野真哉(エソテリック株式会社)
[テクニカルマネージャー]加藤徹也(エソテリック株式会社)
[Super Audio CD リマスター]2022年6月エソテリック・オーディオルーム、「Esoteric Mastering」システム
[解説]浅里公三、柴田龍一
[企画・販売]エソテリック株式会社
[企画・協力]東京電化株式会社