★この商品(HybridCD)の再生にはSACD再生に対応している機器があればSACD音源を聴くことができます
また、通常のCD再生機器(一部のDVD再生機器を除く)では通常CD音源を聴くことができます★
輝かしい生命力と魅力を見事に表現した名演。
■ESOTERICならではのこだわりのSuperAudioCDハイブリッド・ソフト
マスターサウンドへの飽くことなきこだわりと、SuperAudioCDハイブリッド化による圧倒的な音質向上で
継続して高い評価をいただいているESOTERICによる名盤復刻シリーズ。
発売以来LP時代を通じて決定的名盤と評価され、CD時代になった現代にいたるまで、
カタログから消えたことのない名盤を貴重なマスターから進化したテクノロジーと感性とによって
DSDマスタリングし、世界初のSuperAudioCDハイブリッド化を実現してきました。
■イタリアもので火を噴く熱いカンタービレ
シノーポリは、特にヴェルディとプッチーニのオペラ諸作における
それまでのイタリア・オペラの王道の演奏様式とはかけ離れたドラマティックな解釈で高い評価を獲得しました。
音楽解釈に精神医学的観点を援用し、テンポの自在な伸縮や不意のアクセントの強調など、
各声部に粘着質なまでの入念な表情付けを施すかと思えば、野獣を思わせるような
強烈なエネルギーを放出させるなど、知的分析と、本能的な激しい表出意欲が共存する、
それまでになかった個性的なその音楽作りは、熱烈な崇拝と批判を同時に呼び起こしました。
そうした中で、1980年12月のウィーン国立歌劇場のデビューが新演出上演の「アッティラ」であり、
ドイツ・グラモフォンへの最初のオペラ録音がベルリン・ドイツ・オペラで終演後30分間拍手が鳴りやまなかったという
「ナブッコ」を選んだというのも、シノーポリとヴェルディとの縁を感じさせます。
■ウィーン・フィルとの優美なヴェルディ
そんなシノーポリが1983年12月にウィーン・フィルと録音したヴェルディの8曲のオペラの序曲・前奏曲。
ウィーン・フィルの体質ゆえか、シノーポリは持ち前の激烈な解釈を押し付けるのではなく、
オーケストラの持つ優美な音色を積極的に生かすようにしているのもこの録音の特徴で、
「運命の力」や「ナブッコ」の冒頭の柔らかな金管の響かせ方、「アイーダ」や「椿姫」での流麗なカンタービレなど、
決して美感を損なわずにヴェルディの音楽のエッセンスを伝えることに成功しています。
■ムジークフェラインに鳴り響くウィーン・フィルのサウンド・イメージを理想的な形で再現
このシノーポリによるヴェルディ序曲集は、1980年3月にハイティンク指揮による
ブラームス「ドイツ・レクイエム」で開始されたウィーン・フィルによるフィリップス録音の初期に当たります。
収録会場のムジークフェラインザールは、無人の際は残響成分が多く、
レコーディングが難しい会場として知られていますが、フィリップス(初出盤にはスタッフ・クレジットはなし)ならではの
熟練のマルチ・マイク・テクニックと編集過程での巧みなミキシングにより、
オーケストラの各パートの細かな動きを克明に記録しながら、同時にムジークフェライン全体に鳴り響く
ウィーン・フィルのサウンド・イメージを理想的な形で再現しています。
フィリップスはこの後ハイティンク、プレヴィン、小澤征爾、コリン・デイヴィス、ヴァレリー・ゲルギエフらとの
録音プロジェクトを続々と実現し、「フィリップスのウィーン・フィル」のサウンド・イメージを確立していくことになりますが、
その初期の所産であるこのヴェルディ序曲集にも、フィリップスならではの
ノーブルで雰囲気のある音作りがすでに実現されています。
まだアナログ盤が並行して発売されていた時代のデジタル初期の録音で、
今回が初発売以来初めての本格的なリマスターとなります。
今回のSuperAudioCDハイブリッド化に当たっては、これまで同様、使用するマスターの選定から、
最終的なDSDマスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業をおこないました。
特にDSDマスタリングにあたっては、新たに構築した「EsotericMastering」を使用。
入念に調整されたESOTERICの最高級機材MasterSoundDiscreteDACとMasterSoundDiscreteClockを投入。
またMEXCELケーブルを惜しげもなく使用することで、
オリジナル・マスターの持つ情報を伸びやかなサウンドでディスク化することができました。
【演奏】
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ジュゼッペ・シノーポリ
【録音】
1983年12月19日〜22日、ウィーン、ムジークフェラインザール
[SuperAudioCDプロデューサー]大間知基彰(エソテリック株式会社)
[SuperAudioCDリマスタリング・エンジニア]東野真哉(エソテリック株式会社)
[テクニカルマネージャー]加藤徹也(エソテリック株式会社)
[SuperAudioCDリマスター]2022年6月エソテリック・オーディオルーム、「EsotericMastering」システム
[解説]浅里公三、岸純信
[企画・販売]エソテリック株式会社
[企画・協力]東京電化株式会社