★この商品(HybridCD)の再生にはSACD再生に対応している機器があればSACD音源を聴くことができます
また、通常のCD再生機器(一部のDVD再生機器を除く)では通常CD音源を聴くことができます★
重量感のある豊かな響き、木管や金管も明晰に聴こえる名録音。
■ESOTERICならではのこだわりのSuper Audio CDハイブリッド・ソフト
マスターサウンドへの飽くことなきこだわりと、 Super Audio CDハイブリッド化による圧倒的な音質向上で
継続して高い評価をいただいているESOTERICによる名盤復刻シリーズ。
発売以来LP時代を通じて決定的名盤と評価され、CD時代になった現代にいたるまで、
カタログから消えたことのない名盤を貴重なマスターから進化したテクノロジーと感性とによって
DSDマスタリングし、世界初のSuper Audio CDハイブリッド化を実現してきました。
■ブルックナーの伝道者オイゲン・ヨッフム
ドイツの名匠オイゲン・ヨッフム(1902−1987)は、
アナログLP時代にブルックナーの交響曲全集を2度録音した唯一の指揮者でした。
生き生きと躍動し、暖かな人間味に溢れ、柔軟なテンポの伸縮、
ダイナミックスやオーケストレーションの変更など、独自の呼吸感を持ったヨッフムのブルックナー解釈は、
結果として、多くの人にとってブルックナーの音楽をより身近に感じさせる意味合いを持っていました。
■オットーボイレン修道院での交響曲第5番
1964年5月30日と31日、ミュンヘンの南西100キロに位置する、
バイエルン州シュヴァーベン地方の小さな町オットーボイレンにある聖ベネディクト修道院の大聖堂で、
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団と行った演奏会のライヴ収録で、
同修道院の開院1200年を記念しての重要なイベントでもあり、フィリップスによって収録されました。
■第4楽章にクライマックスを置くヨッフムの解釈
ヨッフムは第5番の音楽的な頂点を第4楽章に置いており、最初の3つの楽章で力を使い尽くさず、
「最後の終結のために余力を貯えておかねばならない」と考えていました。
その点も鑑みて、第4楽章の583小節以降の金管のコラール(トラック[4]21分11秒以降)で
金管パートを増員して最後のクライマックスの音響的な輝きを確保したのでした。
この部分で聴かれる異例なほど強靭なサウンドは長大な作品の終結部に相応しいと言えましょう。
■大聖堂の雰囲気と明晰さを両立させた奇跡の録音
この録音は、残響の多い石造りの巨大な大聖堂での録音にもかかわらず、
オーケストラの各パートが極めて明晰に収録されているのが特徴で、
会場の残響成分も過度にならない範囲でミックスされているため、
雰囲気豊かな響きの中でも演奏の細かなニュアンスが犠牲になることはありません。
演奏会当日の写真を見ると、指揮者の背面に高いマイクスタンドが立てられ、
それと並行して左右に2本マイクスタンドが立てられていること、
またオーケストラの上からもワイヤーに吊るされたマイクが数多く下げられていることが見て取れ、
ライヴ録音であるにもかかわらず、セッションに匹敵するような
精密なマイク設定が行われていることがわかります(TV放送のための映像収録も行われました)。
ヨッフムの演奏自体も、テンポの設定やオーケストラのバランスづくりは通常の会場での演奏と同じ姿勢で臨んでいるため、
「残響が多いからテンポを遅くする」というセオリーはこの録音ではあてはまりません。
演奏後の拍手はないものの、聴衆や演奏ノイズも適度に含まれており、
ライヴならではの雰囲気や緊張感と再生音としての充実度が両立した名録音といえましょう。
それゆえ、フィリップスが1989年に「レジェンダリー・クラシックス」という
過去の名演再発シリーズで初めてCD化したのは当然のことで、
それ以来、24ビット/96kHzリマスター(2001年)、SuperAudioCDハイブリッド(2004年)、
そして2018年には再度SuperAudioCDハイブリッド盤として発売されているほどの人気盤です。
今回、通算3度目となるSuperAudioCDハイブリッド化に当たっては、これまで同様、
使用するマスターの選定から、最終的なDSDマスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業をおこないました。
特にDSDマスタリングにあたっては、新たに構築した「EsotericMastering」を使用。
入念に調整されたESOTERICの最高級機材MasterSoundDiscreteDACとMasterSoundDiscreteClockを投入。
またMEXCELケーブルを惜しげもなく使用することで、
オリジナル・マスターの持つ情報を伸びやかなサウンドでディスク化することができました。
【演奏】
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
指揮:オイゲン・ヨッフム
【録音】
1964年5月30日〜31日、ドイツ・オットーボイレン、聖ベネディクト修道院大聖堂でのライヴ・レコーディング
【オリジナル・レコーディング】
[レコーディング・プロデューサー]J.ヴァン・ヒネケン
[バランス・エンジニア]ヘンク・ヤンセン
[レコーディング・エンジニア]セース・フイジンガ
[SuperAudioCDプロデューサー]大間知基彰(エソテリック株式会社)
[SuperAudioCDリマスタリング・エンジニア]東野真哉(エソテリック株式会社)
[テクニカルマネージャー]加藤徹也(エソテリック株式会社)
[SuperAudioCDリマスター]2022年6月エソテリック・オーディオルーム、「EsotericMastering」システム
[解説]浅里公三、広瀬大介
[企画・販売]エソテリック株式会社
[企画・協力]東京電化株式会社