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原初ロシアのパワフルな迫力を再現する超ド級の名演・名録音。
■バーバリックなまでの原石のパワフルさと輝き
1997年のスクリャービン≪プロメテウス≫も
1999年のストラヴィンスキー≪春の祭典≫とスクリャービン≪法悦の詩≫も、
いずれもロシア国外のツアー先で録音されたものであり、
後者は日本ではレコード・アカデミー賞大賞銀賞(2001年度)を受賞するなど、
発売当初から高い評価を得てきた名演です。
ゲルギエフとマリインスキー劇場管の演奏の特徴は、
何と言っても生命力と情熱に満ち、濃厚な原色的色彩感覚に溢れ、
ドラマティックな激しさと壮大なスケールを備えたもの、ということになるでしょう。
20世紀末の潮流として細部まで精緻に整えられた演奏が指向される傾向が強くなっていましたが、
ゲルギエフとマリインスキー管はそれを原点へと呼び戻し、作品が構想された時点での、
ある意味常軌を逸した、バーバリックなまでの原石のパワフルさと輝きを蘇らせたのです。
このアルバムの3曲もそうしたゲルギエフの手腕があらゆる面で発揮されており、
私たちが長い間忘れていたプリミティヴな迫力を再発見させてくれるのです。
≪春の祭典≫のあちこちで聴かれる見得を切るような大胆なルバート
(特に曲の最後で極度にテンポを落として終結する部分)、
スクリャービンの2曲で息切れせず最後まで音量を更新し
トップギアで走り続ける強靭さは、このコンビならではの魅力と申せましょう。
■スケールの大きなサウンドに呑み込まれるような臨場感の豊かさ
≪プロメテウス≫が収録されたフィンランドのミッケリにあるミハイル・ホールは1998年の開場で、
客席は694と少ないながら、舞台が大きくフル・オーケストラの演奏も可能とされています。
録音時期からすると、開場前のトライアルで録音したのかもしれません。
いずれのホールの録音でも、オーケストラの全体の空間性や量感の表出が見事な上、
大編成の多彩なパートやソロ楽器の定位感も明確で、
スケールの大きなサウンドに呑み込まれるような臨場感の豊かさがあります。
作品及び演奏の特徴である音量・音域のダイナミック・レンジの幅広さもあるべき形で確保されています。
スクリャービンの2曲では重要なソロ楽器として登場するトランペット(≪法悦の詩≫)や
ピアノ(≪プロメテウス≫)はソロとしての存在感を示しながらも
オーケストラのマスのサウンドの中で違和感がないようにミックスされています。
≪プロメテウス≫の終結部にだけ登場する合唱も巧みなバランスで独自の音色を添えています。
いずれも発売当初から優秀録音で知られるアルバムだけに、リマスターは今回が初めてです。
今回のSuper Audio CDハイブリッド化に当たっては、これまで同様、使用するマスターの選定から、
最終的なDSDマスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業をおこないました。
特にDSDマスタリングにあたっては、新たに構築した「Esoteric Mastering」を使用。
入念に調整されたESOTERICの最高級機材 Master Sound Discrete DACと
Master Sound Discrete Clock を投入。またMEXCELケーブルを惜しげもなく使用することで、
オリジナル・マスターの持つ情報を伸びやかなサウンドでディスク化することができました。
【録音】
1999年7月24日〜27日、ドイツ、バーデン=バーデン、祝祭劇場(春の祭典、法悦の詩)
1997年7月、フィンランド、ミッケリ、ミカエリ・ホール(プロメテウス)
【オリジナル・レコーディング】
ヤープ・デ・ヨング真空管機材による録音
[エクゼクテイヴ・プロデューサー]アンナ・バリー
[プロデューサー]スタン・タール(春の祭典、法悦の詩)、アンナ・バリー(プロメテウス)
[バランス・エンジニア]ヤープ・デ・ヨング(春の祭典、法悦の詩)、エルド・フロート(プロメテウス)
[レコーディング・エンジニア]ティース・ヘクストラ
[エディティング・エンジニア]スタン・タール(春の祭典、法悦の詩)、ティース・ヘクストラ(プロメテウス)
[マスタリング]オーディオ・アーカイヴィング社(春の祭典、法悦の詩)
[Super Audio CD プロデューサー] 大間知基彰(エソテリック株式会社)
[Super Audio CD リマスタリング・エンジニア] 東野真哉(エソテリック株式会社)
[テクニカルマネージャー] 加藤徹也(エソテリック株式会社)
[Super Audio CD リマスター]2022年9月 エソテリック・オーディオルーム、「Esoteric Mastering」システム
[解説] 浅里公三、増田良介
[企画・販売] エソテリック株式会社
[企画・協力] 東京電化株式会社