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20世紀ピアノ演奏史にそびえたつ巨匠リヒテルのシューベルトの名演を2曲カップリング。
「さすらい人幻想曲」はリヒテルが演奏家として最初期の1938年から弾き始めた愛奏曲で、生涯に58回取り上げています。
この63年盤は作品の持つエネルギッシュな前進性をクローズアップし、特に第4楽章コーダのフーガ風の部分の強靭なまでのピアニズムはこの時代のリヒテルならではの力感を伝えています。
また歌曲「さすらい人」の旋律が使われた第2楽章で沈潜していく悲痛な感傷も、他にないほどの深みをたたえています。
一方、シューベルトのピアノ五重奏曲「ます」は、「さすらい人幻想曲」の17年後の1980年6月、オーストリアで開催されたシューベルティアーデ音楽祭で収録されました。
共演は1944年に創設され20世紀ソ連を代表する名カルテットとして、この時期以降リヒテルとも多数の共演を重ねることになるボロディン四重奏団のメンバー3人とコントラバス奏者としてドイツを代表する存在だったゲオルク・ヘルトナーゲル。
通常のピアノ五重奏曲とは異なり、ヴァイオリン2部の代わりにコントラバス、そしてピアノという特異な編成で、ピアノと弦楽パートの対比が顕著なこの作品にあっては、力強く雄渾なリヒテルのピアノ、ボロディンSQが得意とする堅固な構成感の表出が大きな役割を果たしています。
有名な第4楽章の歌曲「ます」の主題による変奏曲は、各変奏が見事に彫琢され、それぞれの性格が実に明確に弾き分けられています。
リヒテルがこの作品を弾いたのは生涯で7回のみであるため、その最後の演奏が鮮明な録音として後世に残されたのは幸運なことでした。
Super Audio CDハイブリッドでの発売と、それを意図したリマスターは今回が初めてとなります。
これまで同様、使用するマスターの選定から、最終的なDSDマスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業をおこないました。
特にDSDマスタリングにあたっては、「Esoteric Mastering」を使用。
入念に調整されたESOTERIC の最高級機材Master Sound Discrete DACとMaster Sound Discrete Clockを投入。
またMEXCELケーブルを惜しげもなく使用することで、オリジナル・マスターの持つ情報を伸びやかなサウンドで
ディスク化することができました。
[オリジナル・レコーディング]
[レコーデイング・プロデューサー]1-5: ジョン・モードラー 6-9: ピーター・アンドリー
[レコーディング・エンジニア]1-5: ヨハン=ニコラス・マッテス 6-9: ポール・ヴァヴァスール
[Super Audio CD プロデューサー] 大間知基彰(エソテリック・マスタリング・センター)
[Super Audio CD アソシエイト・プロデューサー] 吉田穣(エソテリック・マスタリング・センター)
[Super Audio CD リマスタリング・エンジニア] 東野真哉(エソテリック・マスタリング・センター)
[Super Audio CD リマスター] 2024 年3 月 エソテリック・マスタリング・センター、「Esoteric Mastering」システム
[解説] 浅里公三 那須田務
[企画・販売] ティアック株式会社
[企画・協力] 東京電化株式会社