2018年ザルツブルク音楽祭、バルトリが美貌のイザベッラを演じた《アルジェのイタリア女》。ライザー&コーリエの抱腹絶倒の演出!
主役はチェチーリア・バルトリ、演出はバルトリとも多数共演しているモーシュ・ライザーとパトリス・コーリエのコンビ。
時代設定は、17世紀から現代に移し、色鮮やかな舞台とコミカルな演出で、観客を沸かせました。バルトリは本作初役
ということで、ファン待望のイザベッラを演じました。バルトリは、豊かな表現力と美貌はそのままに、円熟味が増した歌唱、
艶っぽい姿でイザベッラの魅力全開で演じています。また、ムスタファ役のロシア出身のバス、イルダール・アブドラザコフも、
力強くも豊かな技巧、そして洗練された歌声を聴かせています。そしてリンドーロ役のエドガルド・ロチャは、近年ロッシーニを
得意とする若手テノールで、のびやかな歌声を披露し会場を盛り上げました。
演奏は、バルトリとの共演経験も多いスピノジ率いるバロック・オーケストラのアンサンブル・マテウス。風刺の効いた演出に、
実力者歌手陣による極上の喜劇に仕上がっています。
あらすじ舞台はアルジェ。太守ムスタファは、妻のエルヴィーラとの夫婦仲が悪くなってきたため、美しいイタリア人女性を
連れてくるように部下のハーリーに命じる。そしてムスタファはエルヴィーラを追い出すために、奴隷となっていたイタリアの
青年リンドーロを充てがおうとする。ハーリーが美しいイザベッラを見つけムスタファに渡すと、ムスタファはたちまち彼女の
虜となり、妻へ迎えようと画策する。しかしイザベッラとリンドーロは元恋人同士。アルジェで再び会い、二人で脱出を試みます。
イザベッラに夢中のムスタファは、すっかり騙され二人は見事脱出に成功。これに懲りたムスタファは妻と元のさやにおさまる。
チェチーリア・バルトリ(イザベッラ/メゾ・ソプラノ)
イルダール・アブドラザコフ(ムスタファ/バス)
エドガルド・ロチャ(リンドーロ/テノール)
アレッサンドロ・コルベッリ(タッデーオ/バス)
ホセ・コカ・ロサ(ハーリー/バス)
レベッカ・オルヴェラ(エルヴィーラ/ソプラノ)
ローザ・ボヴ(ズールマ/メゾ・ソプラノ)
アンサンブル・マテウス
ジャン・クリストフ・スピノジ(指揮)
ウィーン・フィルハーモニア合唱団(合唱指揮:ヴァルター・ツェー)