ブルックナー指揮者カール・ベーム。DECCA,DGへの録音の端緒となった、69年ベルリン・フィルとのライヴ!
ブルックナーと同国(オーストリア)に生まれたカール・ベーム。ハンス・リヒター(8番の初演者)と旧知の仲であった父親からの影響もあり、ブルックナーの音楽はベームが指揮者として形成されていく過程で、風景画の意味合いを持っていました。
1936年に第4番を世界初録音、48年には第7番を録音。しかしながら、フルトヴェングラー死去後のベルリン・フィル首席指揮者のポストは選考から漏れ、ウィーン国立歌劇場音楽監督の座は辞任に追い込まれて、56年以降フリーになったベームは、
海外公演を積極的に行い、シカゴやニューヨークでブルックナーを盛んに演奏、評判を高めていきます。ところがDGにはヨッフム、カラヤンとのブルックナー録音計画がありました。ベームは、70年、73年にDECCA にウィーン・フィルと第3番、第4番を録音、
ベストセラーを生み出します。76年にはDGに第8番をVPOと録音しています。
今回のCDはDECCA,DG への録音の端緒となった、69年ベルリン・フィルとのライヴ。おりからベームは75歳、全盛期を極めた頃。晩年の遅いテンポではなく、きびきびと締まり、勢いのある演奏を展開。機能美満点のBPOを前に、全編無駄のない率直な指揮。
ベームには複雑な音楽もシンプルに表現する天賦の才がありました。一方で、BPOの優雅な音色を活かした抒情美の創出も忘れていません。(なお、本録音は1890年稿をもとに、ハース版とノヴァーク版の出版譜を併用)
真正のステレオ録音。会場の音も生々しく、響きます。冒頭から迫りくるBPOの金管、弦楽陣のパワー!極上のマスタリングが施されており、これが1969年とは思えないほど鮮明鮮烈な音質になっております。
カール・ベーム(指揮)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団