現代屈指のクリエイター、クリスチャン・マクブライドが20年の歳月を要して創り上げた渾身の作品!自由と平等を訴える濃密な音楽トリビュート。
ファーストコールのベーシストであるのみならず、現代屈指のクリエイターであるクリスチャン・マクブライドが1960年代の公民権運動をテーマに、20年の歳月を要して創り上げた渾身のアルバム!!
本作の原点は1998年のこと。クリスチャン・マクブライドがポートランド芸術協会から“黒人歴史月間”というイベントのための作曲を依頼されたことが発端となった。
その時に、カルテット+ ゴスペル・クワイアという編成で書き上げられた“Movement Revi si ted”が、10年後、2008年5月にロサンゼルスで行なわれたコンサートで再演された際に、
スモール・コンボ+ビッグバンド+ゴスペル・クワイア+ナレーターの大編成が奏でる4楽章の組曲へと発展した。
それら4つの楽章は、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師、ローザ・パークス、マルコムXという1960年代の公民権運動に大きな貢献を果たした3人と、
同時代にべトナム戦争への徴兵を拒否したことによって当時のボクシング世界ヘヴィー級王者のタイトルを剥奪されながらも黒人の地位向上のために大きな尽力をした
プロ・ボクサー、モハメド・アリを合わせた4人のアイコンに捧げている。
演奏は18人編成のビッグバンド、10人のクワイア、アイコンたちが遺したメッセージを中心に、迫真の演技で語る4人のナレーター。
さらに数曲でアリシア・オラトゥージャとJ.D.スティールのヴォーカルが加わる。静かな幕開けから、“至上の愛”をほうふつとさせるパートも織り込み、
10分の間で振り切れるばかりのエネルギーをもって、切迫かつ切実な語りを表現するオープニング(1)を筆頭に、クワイアとホーン・セクションが
コール・アンド・レスポンスを繰り広げる(3)、アリシア・オラトゥージャのソウルフルなヴォーカルとスピリチュアルなテナー・ソロが熱を帯びる(6)、
ソウル・ミュージックへの愛と、アリへの敬愛を表現した(9)とダイナミックな楽曲が並ぶ。そしてJからラストは、正に感動的なクライマックス!
荘厳なホーンアンサンブルとキング牧師の“I Have a Dream”の言葉が響きあう(11)、希望に満ちたゴスペル・ヴォーカルがフィーチャーされる(12)、
そして、バラク・オバマの大統領選挙勝利演説の荘重な詠みあげと共に、シンボル的フレーズ“Yes We Can”の掛け声をきっかけにコーラスが高らかに歌い上げていくラスト。
そこには未来への示唆も託されている。
1960年代の公民権運動を追想するとともに自由と平等を訴える濃密な音楽が溢れる本作は、混迷する現代に一石を投じる超大作。
歴史的名盤の誕生です。
メンバー
Christian McBride: bass, composer, arranger