ロトと手兵の時代楽器オーケストラによる、レ・シエクルとドビュッシーの名作「海」。このたびあらたにマスタリングしなおして、<harmoniamundi>から登場します。「海」は、1905年10月、シュヴィヤール指揮のコンセール・ラムルー管により初演された際の響きを再現しています。弦楽器はガット弦、金管は細管、木管やハープは当時のフランス製、パリ音楽院直伝の奏法を遵守しています。何よりヴィブラートとトレモロに終始するようなこの作品で、ヴィブラートが極力抑えられているため、聴感上の印象はがらりと異なり、雅楽のようでさえあります。名演ひしめく作品ながら、目から鱗の落ちる衝撃度No.1ディスクと申せましょう。さらに注目なのが、ドビュッシー初期の作品「管弦楽組曲第1番」の世界初録音。1882年から84年、ドビュッシー 20‐22歳パリ音楽院の学生時代の作で、長く失われたとされてきましたが、最近草稿が発見され話題となりました。オーケストラ版とピアノ連弾版の2種があり、後者はすでに録音もありますが、待望のオーケストラ版は初めて。 (C)RS