シュタイアーが演奏するバッハの平均律、第1巻の登場です!第2巻は先に録音(2020年)、発売されており(KKC 6440/HMM 902682)、世界中で絶賛されました。平均律クラヴィーア曲集第1巻には、バッハによる序文があり、「・・・音楽を学ぶ意欲のある若者たちの役に立つように、また、この勉強にすでに熟達した人たちには、格別の時のすさび(遊び、なぐさみ)になるように・・・」という部分がありますが、まさにシュタイアーはこのバッハの言葉の後者にあたり、シュタイアー本人が楽しんで歌うように演奏しているのが伝わってきます。楽曲ごとの音色の選択の巧みさと、音色の種類の多さにも驚かされます。素朴な第1番のプレリュード、怒涛の迫力第2番のプレリュードと、曲集が進むにつれ様々な新しい世界が展開されております。シュタイアーが、バッハが構築した偉大な建造物の中を実にたのしく案内してくれるようで、新しい発見に満ちています。自然な演奏で、くつろいだ雰囲気すら感じられます。シュタイアーがさらなる境地に至っていることを感じる、堂々の第1巻です! (C)RS