※ジャケット画像はイメージです
ヒロイン・紙屋悦子役には、「サヨナラCOLOR」「大停電の夜に」などの話題作が相次ぐ原田知世。彼女を愛する海軍航空士官・永与少尉に「隠し剣 鬼の爪」の侍役も記憶に新しい永瀬正敏、特攻隊に志願する永与の盟友・明石少尉に映画からテレビまで幅広く活躍する松岡俊介が扮し、彼らを見守る悦子の兄夫婦役には名優・小林薫、「群青の夜の羽毛布」主演の本上まなみを配する豪華な演技陣で戦時下の切ない恋、家族の情愛を現代へ蘇らせます。
日本映画に燦然たる功績を残した黒木和雄監督(『父と暮せば』)の最後の魂のメッセージがここに…。
[ストーリー]
敗戦の色濃い昭和二十年・春。両親を失ったばかりの娘・紙屋悦子は、鹿児島の田舎町で優しい兄・安忠、その妻・ふさと肩を寄せ合う慎ましい毎日をおくっていた。そんな彼女が胸に抱く願いは家族の平穏と、密かに想いを寄せる兄の後輩、海軍航空隊に所属する明石少尉の無事だけである。ところがある日、兄は別の男性との見合いを悦子に勧めてきた。それも相手は明石の親友・永与少尉で、明石自身も縁談成立を望んでいるらしい。傷心を押し隠し、永与との見合いに臨む悦子。
当日、明石に連れられて紙屋家を訪れた永与は、緊張のあまり失敗を繰り返しながらも、悦子に真摯な愛情を示した。
「…戦争のどげんなるか…私もどげんなるかわからんですばって…私はもうあなたば…一人にしません」
必死で搾り出す永与の言葉に対し、僅かな沈黙の後、「はい」と答える悦子。
だが、悦子は衝撃的な事実を知らされた。明石が特攻隊に志願し、間も無く出撃すると言うのだ。出撃前夜、悦子にその言葉を残し、満開の桜の下を去っていく明石。その夜、たった一人で泣き尽くした悦子。
数日後、悲痛な面持ちで明石の死を告げに来た永与には、残された者同士の哀しみをがあった。明石が書き残したという手紙を永与から受け取り、封を開けずに握り締める悦子。
そして、勤務地が変わる事になったという永与が去ろうとした時、彼女は今度こそ胸の中に秘めた想いを口に出した。
「待っちょいますから…日本がどげな事になっても、ここで待っちょいますから…」
「…はい」
「きっと迎えに来て下さい」
見詰め合う二人の頭上、散り始めた桜の花びらが舞う。これから共に長い人生を生きる二人の、結婚を決意した最初の一歩がはじまるのだった…。
[キャスト]
原田知世/永瀬正敏/松岡俊介/本上まなみ/小林薫
[スタッフ]
原作:松田正隆
監督:黒木和雄
脚本:黒木和雄・山田英樹
音楽:松村禎三
美術監督:木村威夫
撮影:川上皓市
日本中に感動の渦をまきおこし、数々の映画賞を受賞した『父と暮せば』の黒木和雄監督の遺作『紙屋悦子の青春』がDVDに登場!舞台は敗戦の色濃い昭和二十年の鹿児島。春の桜の樹の下で海軍航空隊に所属する二人の若者と美しく純朴な娘の恋物語を描く。原田知世、永瀬正敏、松岡俊介、本上まなみほか出演。
|
制作年: | 2006 |
制作国: | 日本 |
ディスクタイプ: | 片面2層 |
色彩: | カラー |
映像サイズ: | ビスタ、スクイーズ |
映像特典: | 追悼・黒木和雄監督特集/予告編集 |
音声仕様: | ドルビーサラウンド(ドルビーデジタル、英語字幕) |