若き日のピアニスト、フランツ・リストの姿を、運命の恋人マリー・ダグー伯爵夫人とのロマンスを中心に、最大の好敵手でもあるショパンとの友情を交えて描く。/時代や流行の先端を行く洒落者達が集う“Empire(帝国)”を舞台に、時にクールに、時に熱いビートのうねりで人々を魅了する数々の場面で構成するスタイリッシュなショー作品。
■花組宝塚大劇場公演
ミュージカル『巡礼の年〜リスト・フェレンツ、魂の彷徨〜』
作・演出/生田 大和
ピアノの魔術師と称され、19世紀初頭のヨーロッパで絶大な人気を博したピアニスト、フランツ・リスト。
超絶技巧に彩られた情熱的な演奏と、女性達を虜にしてやまない類まれな美貌で
パリのサロンを席巻し、瞬く間に時代の寵児となった彼が追い求めたものとは…。
ハンガリー人である事を自認しながら、その生涯の中で母国語を話すことができなかったフランツ・リスト。
自身の本質的なアイデンティティである“リスト・フェレンツ”として生きる事をその胸の内で願いながら、
一方でカリスマ性を秘めたスター“フランツ・リスト”であることを自ら欲し、
そして周囲から求められ…その狭間で生きる人生に次第に葛藤を覚えていく。
自らの“魂”の居場所を探し、ヨーロッパ中を彷徨い続ける若き日の彼の姿を、
運命の恋人マリー・ダグー伯爵夫人とのロマンスを中心に、最大の好敵手でもあるショパンとの友情を交えて描く。
自己とは、自分とは。そして、自分らしく生きるとは何か?を問いかけるミュージカル作品。
□Topix□
『巡礼の年〜リスト・フェレンツ、魂の彷徨〜』
1832年、パリ。フランスは革命という動乱の時代を経てもなお、
権力を握り続ける貴族と、台頭著しいブルジョワジーによって牛耳られていた。
毎夜開かれるサロンでは、享楽と所有欲に溺れる貴族がお抱えの芸術家たちに腕前を披露させ、
芸術家たちは己の技と魅力で名を揚げるべくしのぎを削っている。
今宵、ル・ヴァイエ侯爵夫人邸サロンに集まった貴婦人たちのお目当ては、フランツ・リスト―。
類まれなる美貌と、ヴィルトォーゾ、すなわち超絶的な技巧を武器に、
パリのサロンを席巻している若きピアニストである。
彼がサロンを訪ねるとなれば婦人たちが詰めかけ、
炎のように情熱的な演奏は聴くものを夢中にさせるのだった。
誰もが羨む栄光の真っただ中にいるリスト。
しかしライバルであり同志でもあるフレデリック・ショパンは、
人気が高まるにつれて本来の自分を見失っていくリストを案じていた。
ショパンは、リストにある批評を見せる。
ダニエル・ステルンというペンネームで書かれたその記事は、
リストを礼賛するものではなく、彼が向き合うべき本質が書かれていた。
リストはダニエル・ステルンの正体を聞き出すと、
すぐさまその人物、マリー・ダグー伯爵夫人のもとを訪れる。
マリー・ダグー伯爵夫人は社交界の花形と持て囃されていたが、夫のダグー伯爵との仲は冷え切っており、
自らの存在意義を求めるかのように男性名を騙ってひそかに文筆活動をしていた。
社交界で本来の自分を偽って生きてきたマリーは、リストの中に同じ苦しみを見出したのだ。
魂の根底で理解し合える女性と巡り合えた喜びに打ち震えるリスト。
この街で求められているのは、本米の自分、“リスト・フェレンツ”ではなく、
虚像のフランツ・リストなのだ――そう気づいたリストは、マリーの手を取って出奔する。
こうして二人の“巡礼の年”が始まった。パリから遠く離れたスイスへ・・・
ただのフェレンツとマリーとして生きる喜びを取り戻していく二人。しかし幸せな日々は長く続かなかった・・・
ショー グルーヴ『Fashionable Empire』
作・演出/稲葉 太地
時代や流行の先端を行く洒落者達が集う“Empire(帝国)”を舞台に、
時にクールに、時に熱いビートのうねりで人々を魅了する数々の場面で構成するスタイリッシュなショー作品。
花組トップスター・柚香光の持つ都会的で洗練された魅力に焦点を当てると共に、
花組生達の多彩な輝きを様々なグルーヴに乗せて、極上のエンターテインメントをお届け致します。
◎Contents
■収録内容:
○公演映像
○特典映像(Special Movie@稽古場)
■16ページカラーブックレット付き
※公演映像、特典映像、ブックレットは、ブルーレイとDVDで同じ内容です。
※映像及び音楽の割愛、差し替え等はございません。
◎主な出演者(公演プログラム記載順)
柚香光・星風まどか・水美舞斗・永久輝せあ・聖乃あすか・美風舞良・航琉ひびき
(専科)高翔みず希
花組/宝塚大劇場
収録日:2022年6月17日/収録時間:約170分