ヴァイオリンやピアノとは違い、単旋律のメロディ・ラインで勝負するフルート1本で色彩豊かな音の世界を展開する、エマニュエル・パユ渾身のソロ・アルバム。2枚組のこのアルバムの中核をなすのは、ドイツ・バロックの代表的作曲家テレマンによる「無伴奏フルートのための幻想曲」全12曲をちりばめつつ、テレマンと同時代のマラン・マレ、そして19世紀のカルク=エーレルト、20世紀のオネゲル、武満を経、パユ自身がその初演を受け持ったピンチャーやヴィトマンらの作品を収録。フルートの可能性を示唆する各曲に真っ向から対峙するパユの演奏家としての真髄が、ぎっしりと詰まったアルバム。 (C)RS