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マリアム・バタシヴィリによる、リストの華麗なる超絶技巧編曲作品を中心としたアルバム
Mariam Batsashvili/Romantic Piano Masters
1993年ジョージア(グルジア)生まれ。
2014年フランツ・リスト国際コンクールで優勝して以来「リストのスペシャリスト」として高い評価を得ている
マリアム・バタシヴィリの「リスト愛」を、わたしたちにトランスクリプション作品を通して投げかけます。
彼女のファーストアルバム≪リスト、ショパン:ピアノ作品集≫では、
「彼女の技術力とリストの解釈能力、壮大さの表現は当然のことですが、
彼の内面の感覚、彼の物欲しげでさりげない詩は、彼女が注目すべきものとして際立たせた」と評しています。
2019年にリリースされた前作では、19世紀に活躍したリストとショパンの2人の天才の作品を並べ、
その関係性を探るとともに、自身の超絶技巧と高い音楽性も披露したマリアム・バタシヴィリ。
今作では彼女が最も得意とするリストの作品を軸に、
トランスクリプション(編曲)の世界を更に奥深くまで探求していきます。
リストの作品を演奏する際に陥りやすいのは、
あまりにも華やかさを強調するあまり、その下に潜むものを見逃してしまうこと。
とりわけリストが好んだ歌劇や歌曲のトランスクリプションでは、
その傾向が顕著となり「うわべの技巧」を追い求めるばかりになってしまう危険性があります。
今回バタシヴィリは、あくまでもピアノを歌わせることに重点を置くことで、
演奏が人工的になることを極力排除しました。
アルバムはリストがこよなく愛したというフランクの「前奏曲、フーガと変奏曲 ロ短調」で幕を開けますが、
この曲がすでにハロルド・バウアーがピアノ用に編曲したものであることに注目。
ピアノでありながら、教会の中で響くオルガンの音色を想起させるほどに充実した音色が得られています。
そしてリストのライバルと目されたタールベルクによるトランスクリプションを経て、
リストのめくるめく技巧が凝らされた編曲作品が楽しめます。
またこのアルバムでバタシヴィリはリスト、シューベルト、ショパンのワルツを原曲のまま収録し、
19世紀における多彩なワルツも紹介しています。
なかでもリストの編曲によるグノーの「ファウストのワルツ」は
もともとの賑やかな旋律を更に華やかにしたもので、バタシヴィリの鮮やかな演奏が作品を際立たせています。
【演奏】
マリアム・バタシヴィリ(ピアノ)
【録音】
2021年3月、ベルリン、ジーメンスヴィラ
収録情報
【収録予定曲】
フランク(ハロルド・バウアー編):前奏曲、フーガと変奏曲 ロ短調
タールベルク:ベッリーニの歌劇「夢遊病の娘」からのモティーフによる大奇想曲
ワーグナー=リスト:イゾルデの愛の死 S.447
リスト:ローレライ S.532
シューベルト=リスト:セレナーデ(シューベルトの「白鳥の歌」D.957/4より)S.560/7a
シューベルト=リスト:我が宿(シューベルトの「白鳥の歌」D.957/5より)S.560/3
ショパン:ワルツ第5番 変イ長調 Op.42
グノー=リスト:『ファウスト』からワルツ S.407
リスト:華麗なる大ワルツ S.214−1(3つのワルツ・カプリスより)
シューベルト(R.シュトラウス編):ワルツ 変ト長調D. Anh. I/14「クーペルヴィーザー・ワルツ」
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